東芝テック株式会社が開発した電子レシートサービス「スマートレシート」は、会計時に通常は紙で提供される購入商品の明細レシートを電子化し、データとして管理・提供するサービスである。利用客は手元に紙のレシートを残さなくてもスマートフォンで購入履歴をいつでも確認することができ、月毎に食費や日用品など9つの家計費目に自動で集計される。
東芝データ株式会社は、スマートレシートの会員約100万人のレシートデータから得られる購買データを統計化し、商品の買い物動向などを分析した。
今回は冬の寒い日に食べたい鍋料理に欠かせない鍋つゆに着目し、、売上増加シーズンとなる2022年10月1日から2023年2月12日の期間の購買データをもとに、関東・関西を対象とし「醤油・味噌・塩・辛・だし」の5種の味別に、季節を通して「暖かい」「肌寒い」と感じる指標としての日最高気温平年差(店舗営業時間とみなせる9~22時の最高気温と過去30年の日最高気温との差)と、購買量のシェア率(味別購買金額の構成率)を算出した。
なお、関東は店舗所在地が東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬・栃木・茨城、関西は店舗所在地が大阪・京都・奈良・和歌山・兵庫・滋賀を指す。気象観測地は、関東が東京、関西が大阪である。
算出した結果、関東では、肌寒い日ほど辛味のシェア率が上がり気温差-7.5℃未満の日が最もシェア率が高く、気温差+5℃以上の日よりも3.2%高くなった。一方、塩味は肌寒い日ほどシェア率が低くなる傾向が見えた。関西では、関東のようなはっきりした傾向が見えづらいが、関東同様に、肌寒い日ほど辛味のシェア率が高くなり、塩味のシェア率が低くなる傾向が見えた。
また、味を区別しない鍋つゆ全体の購買量に着目すると、11~12月に購買量が最大となること、前日の気温より低い日ほど購買量が増えること、関東、関西ともに気温が10℃を下回る日を含む週の週末に購買量が増える傾向にあることも分かった。関東と関西を比較すると、味噌味のシェア率は関東が関西よりも高く、地域的な嗜好差も見えた。
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