IDC Japan 株式会社は、2023年の国内AIシステムに関する企業ユーザ調査結果を発表した。
調査対象は、AIシステムを把握する企業の担当役員や管理職、情報システム担当者など、従業員規模が100人以上の522社、計542社だ。
IDCは、2018年からAIシステムの企業利用調査を継続実施しており、調査期間のAIの実利用およびPOCでの利用が平均で6割を超えている。
期間中は、AIの先駆的な取り組み企業が国内のAIの利用を牽引し、後発的な取り組み企業がこれを追随しているとIDCはみている。
その結果、2023年は限定された部門でのPOCから、全社利用までを含めると、AIシステムを利用する割合が72.4%となった。
これらの背景として、新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ戦争勃発などのマクロ要因や、セキュリティ脅威の高まり、連続的なAI製品の市場展開など技術的要因による先駆的企業のデジタル戦略計画の見直し、そして後発的企業のDX着手など、AIを活用する国内市場の顧客層と、AI活用スタイルの多様性が高まっていることを挙げている。
具体的には、同調査結果でDXの取り組み期間が3年未満のグループが、54.8%と昨年比で9.6ポイント増加しており、この点を注視する必要があるという。
このような市場動向は、企業ユーザのAIシステム関連投資重点領域の傾向にも一部が反映されているとしている。
IDC Japan株式会社 Software & Services リサーチマネージャーの飯坂暢子氏は「AI活用の多様性が増すなか、企業はAIを活用したより洞察的な意思決定を行い、自社の競争優位性を高める必要がある。同時に、急速なAIの技術革新に対応するためには、セキュリティやデータプライバシーへの配慮と従業員へのトレーニングなども不可欠である」と述べている。
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