IDC Japan株式会社は、国内企業のIT投資動向および基幹システムの稼働環境動向などに関する調査結果を発表した。これによると、2023年はIT投資の拡大が見込まれるとともに、基幹システムにおけるアプリケーションのモダナイゼーションが重要なフェーズとなる見通しであることが分かった。
IDCでは2023年4月に、国内企業のCIOや情報システム部門長、それに準じる管理者を対象に、国内企業のIT投資動向と併せて、基幹システムの稼働環境動向などについて調査した。
同調査レポートによると、2022年は、IT投資が減少した企業の割合が、増加した企業の割合を上回っていたが、2023年は、IT投資を増加させる計画である企業の割合が、減少させる計画である企業の割合を約9ポイント上回っている。また、IT投資の増加理由の上位3項目は「ビジネス規模の拡大」「新規システム開発の増加」「経済状況」となっている。
基幹システムの稼働環境に関する調査では、現状では、基幹システムのインフラストラクチャ(インフラ)の約57%がクラウド、モダナイズされたアプリケーションの割合は約27%となっている。3年後は、インフラのクラウド移行およびアプリケーションのモダナイゼーションいずれも進展するが、特にアプリケーションのモダナイゼーションが進む見通しとなっている。
これらの結果から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の収束による国内外の経済活動の正常化に加え、半導体/部材不足の緩やかな解消も相まって、2023年は国内企業におけるIT投資の拡大が見込まれる。また、国内企業においては老朽システムからの脱却、とりわけモダナイゼーションに向けた取り組みが加速するとIDCではみている。
IDC Japan Software & Services マーケットアナリストである村松 大氏は「今後、基幹システムにおいてはインフラのクラウド移行からモダナイゼーションが重要なフェーズとなるであろう。その際、サービスベンダーにおいては、顧客のデジタルビジネスイニシアティブとの統合までスコープを拡げた支援を行うことが、顧客とベンダー双方の競争優位性を高めるうえで重要となる」と述べている。
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