IDC Japan株式会社は、国内データセンター(DC)事業者のデータセンター投資予測を発表した。これは、DC建物/電気設備/冷却システムなどの新設および増設にかかる投資額を調査したものである。それによると、事業者データセンターの新設および増設投資は2023年から2024年へ大きく増加する見込みであることがわかった。
国内事業者データセンターの新設および増設投資は、2023年は前年比16.4%増で投資規模は3,222億円となる見込みである。2024年は2023年の約1.55倍という大幅な拡大となり、5,000億円を超えるものと見込まれる。さらに、2024年から2027年は毎年5,000億円を超える投資規模が継続するとIDCでは予測している。これは、クラウドサービス向けハイパースケールデータセンターの増設需要が、東京・大阪の郊外で拡大する傾向が継続しているためである。
東京郊外では、以前よりデータセンター建設が進められている千葉県以外に、東京西部における建設が増加している。大阪郊外では、京都府でもハイパースケールデータセンター建設が進められている。こうした建設需要を見込んで不動産投資マネーが流入しており、データセンターファシリティ(建物、設備)市場に新規参入する企業も増えている。
さらに、建設業界全般にわたる人手不足や、世界的なインフレや原材料の価格によって、データセンター建設コストが上昇していることも、建設投資額を増大させる要因となっている。
IDC Japan Software & Services リサーチマネージャーの伊藤未明氏は「クラウドサービス市場の高成長率を考慮すると、建設コスト上昇によってデータセンター投資意欲が縮小するとは考えられない。建設部材や設備機器の納期遅れの影響により、建設プロジェクトが遅れることはあるにしても、建設投資そのものを取りやめるといった事態にはならないだろう」と分析している。
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