IDC、2023年~2028年の国内データセンターの電力キャパシティは年間平均成長率11.4%増と予測

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IDC Japan株式会社は、国内に設置される事業者データセンター(DC)のキャパシティ予測を発表した。これによると、データセンター内のIT機器を稼働せるために提供される電力容量(ITロード)は、2023年末時点における2,021メガVA(ボルトアンペア)から2028年末には3,470.9メガVAへ増加することが明らかとなった。これを年間平均成長率(2023年~2028年)に換算すると、年平均11.4%で増加することになる。(IT機器の場合、1ボルトアンペアはほぼ1ワットに相当する)

クラウドサービス拠点としてのハイパースケールデータセンター建設需要が急拡大しており、関東および関西では建設ラッシュとなっている。なお今回の調査では、キャパシティが非常に大きく、かつデータセンターの利用テナントがクラウド事業者であるようなデータセンターを、ハイパースケールデータセンターと呼んでいる。こうした需要急拡大を受けて、ハイパースケールデータセンターの建設と運用の市場には、新規参入するプロバイダーが増加している。

さらに、生成AIの利用に関心が高まりAIサーバーの導入が進んでいる。AIサーバーは一般的なサーバーよりも消費電力が大きいため、DCの電力キャパシティも大容量であることが求められる。現時点では、AIサーバーの利用拡大によって、DC電力キャパシティが急激に不足するような事態にはならない見込みだが、DC増加の要因となることは確実とIDCは見ている。

DC建設需要の増大によって、投資マネーがDC市場に大量に流入しており、DC投資は過熱気味だ。特にハイパースケールDC建設は、IT投資というよりも不動産投資に近いものとなっており、市場での競争は激化している。今後は、供給過剰リスクが高まり、いくつかのプロジェクトでは建設投資が延期される可能性があるとしている。こうした状況を考慮してIDCでは、今回のDCキャパシティ電力予測では、前回予測(2023年10月の予測)から予測値を若干引き下げた。

IDC Japan Software & Services リサーチマネージャーの伊藤未明氏は「ハイパースケールDC建設では慎重な投資判断をすべきである」と分析している。

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