IDC Japan株式会社は、日本のIoT市場予測を発表した。
それによれば、国内IoT市場におけるユーザー支出額は、2023年の6兆4,672億円から、2028年には9兆4,818億円へと成長するとの見通しである。これは、2023年から2028年までの年間平均成長率が8.0%であることを示している。
またIDCは、2028年には9兆4,818億円に達すると予測している。(トップ図参照)
産業分野別では、2024年から2028年にかけて、物流や建設、医療分野でIoTの導入が進むと予想されている。この背景には、労働人口の減少や労働規制の強化による人手不足の深刻化がある。
IoTの主要なユースケースとしては、物流効率の向上に資するスマート倉庫管理や、建設作業の効率化のための建設アセット管理、医療分野の院内クリニカルケアが挙げられている。
技術グループ別では、ハードウェアの支出割合は2023年の38.6%から2028年の35.2%に減少する一方、ソフトウェアは20.6%から22.9%に、サービスは30.8%から33.4%に増加すると見込まれている。
IoTの導入目的は、単純な数値計測から、配送経路の最適化や機械学習と組み合わせた機械装置の予兆保全など、より高度な目的に変化するとされている。
IDCは、技術グループごとの支出割合の変化の背景に、上記ユースケースの増加に伴い、導入サービスやアナリティクスSW(分析用ソフトウェア)にかける費用の上昇率が、センサやモジュールなどのハードウェアを上回ることを挙げている。
IDC JapanのInfrastructure & Devicesリサーチマネージャーの山下頼行氏は、「物流や建設、医療分野での人手不足、新技術やソリューションの普及、サイバーセキュリティリスクに対応する政府の認定制度の構築などが国内IoT市場の成長に影響を与える。ITサプライヤーは、こうした技術や制度の変化がもたらす市場機会を早期に捉えるべきだ」と述べている。
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