IDC、国内通信サービス市場の2023年から2028年の年間平均成長率は0.3%と予測

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IDC Japan株式会社は、国内通信サービスの市場予測を発表した。

その予測によると、2023年の国内モバイル通信サービスのエンドユーザ支出額は6兆6,800億円で、前年比成長率はマイナス0.3%となった。また、2028年の支出額は6兆7,750億円で、2023年~2028年の年間平均成長率は0.3%と予測している。

モバイル通信サービス市場では、新たな展開が期待されており、2023年の個人セグメントにおけるデータ通信用途の支出額の前年比成長率はマイナス0.9%となり、前年のマイナス2.9%から改善した。

市場はMNO(Mobile Network Operator)が提供する低価格料金プランの普及を背景に、近年の支出額の減少トレンドから脱却しつつある。

一方、法人セグメントではIoT端末や業務用デバイス向けのデータ通信需要が堅調に拡大している。法人セグメントにおけるデータ通信用途への支出額の前年比成長率は5.1%となり、前年の3.2%を上回る成長となった。

加えて、MNOは5G SA(Stand Alone)の特徴であるネットワークスライシング(ネットワークを仮想化してリソースを分割する技術)を利用し、これまでパブリックネットワークでは提供できなかった新たなワイヤレスサービスの提供を開始した。

このようなサービスは、固定通信ネットワークやWi-Fi、MVNOの独自サービスが対応してきた顧客のニーズに、今後はより柔軟かつ高いコストパフォーマンスで応える可能性があるとIDCは見ている。

また、法人向けWANサービス市場においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でオフィスへの従業員の復帰が進んだことから、WANの需要が増加し、市場の成長を後押しした。L2帯域確保、L3帯域確保といった成熟した市場セグメントでも、売上額の前年比成長率がそれぞれ0.6%、0.8%となり、市場の拡大が見られた。

一方で、ゼロトラストやSASE(Secure Access Service Edge)といったフレームワークの浸透や、パブリッククラウドの利用拡大を追い風として、企業がインターネット回線を活用する動きも拡大。マネージドインターネットVPN(Virtual Private Network)でも売上額が増加しているとのことだ。

2028年までの国内通信サービス市場は、データ容量の増大や企業のデータ利活用に向けた取り組みの拡大が、通信サービスへの需要を引き出し、市場が継続的に成長すると予測している。

IDC Japanのシニアリサーチアナリストである水上貴博氏は、「IoT向け通信サービスでは、5Gネットワークの成熟とそれに伴う競争激化に備え、自社の強みと能力を整理し、市場でのポジショニングを再設定すべきだ。

法人向けWANサービス市場では、安定した通信品質を求める企業の閉域網への需要が根強い一方で、ゼロトラスト化を進める企業などがインターネットの活用に動いている。通信事業者やシステムインテグレータは、ネットワークとセキュリティの統合サービスへの需要を法人向け事業の成長材料とするため、サービスの拡充を急ぐべきだ」と分析している。

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