IDC Japan株式会社は、国内デジタルエンジニアリングの市場予測を発表した。
なお同社では、「デジタルエンジニアリング」を「産業のエンジニアリング領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み」と定義している。
その上で、デジタルエンジニアリング市場は、デジタルエンジニアリング向け「ICT」市場と、「ICT」市場に隣接するデジタルエンジニアリング向け「産業領域(非ICT)」市場の2つで構成される。製品やサービスの例として、産業用PCや組み込みソフトウェア開発サービスなどが挙げられている。
デジタルエンジニアリングは、対象プロセスの観点から、プロダクトエンジニアリング(製品の企画設計開発、Product Engineering、PE)と、OT(物理的なシステムや設備を最適に動かすための制御運用技術、Operational Technology)の2つに分けられる。
同社では、国内デジタルエンジニアリング市場全体の市場規模は、2023年の2兆2,952億円から年間平均成長率13.0%で成長し、2028年には4兆2,271億円になると予測している。
同市場の成長要因としては、ICT領域のPEにおける製品設計開発力向上や、製品開発工数短縮のためのデータ管理/データ連携、OTにおける現場作業の品質向上やより少ない人数で業務を行うための自動化、作業員支援などを目的とするデジタル技術への支出拡大などが挙げられている。
非ICT領域でも、デジタル技術を搭載したIoT機器や組み込みソフトウェア開発サービスなどへの支出拡大が成長を牽引すると予測している。
同社のSoftware & Services リサーチマネージャーの小野 陽子氏は、「これからの産業は『データをつなぐ』ことを可能にする標準的なICTやインターフェースの実装が重要だ。ベンダーは、顧客の要望通りの過度なカスタマイズによる個別最適化より、顧客とその業界が、部門や企業の枠を超えたプロセス改革や全体最適を実現できる未来に向け、ICTの『あるべき姿』を提案すべきだ」と述べている。
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