IDC Japan株式会社は、国内企業のデータプラットフォーム運用に関する成熟度調査の結果を発表した。
国内企業のデータプラットフォーム運用に関する成熟度は、2022年、2023年の結果と比較し、成熟度が上昇傾向であり、経験を積んだユーザはデータ活用を業績向上に活かしていると考えられる。
今回、IDCが作成したデータ運用成熟度モデルでは、ユーザ企業のデータ運用の状態を5段階に分類。第1段階の「未整備」から第5段階の「迅速な適応」まで、各段階に合わせた判定項目として、「データ活用/管理の業務への貢献度」「データ活用や分析の能力」「人材などのリソース」「データガバナンス整備状況」「業務部門とデータ管理部門の協力」「利活用データの範囲」「データ管理における分野別の環境整備状況」を用い、項目の重要性に基づく重み付けを考慮した集計を行った。
集計の結果、未整備(第1段階)は減少し、第2段階(途上前期)は横ばいだが、第3段階(途上後期)から第5段階(迅速な対応が可能な状態)の比率が増えている。
しかしながら、第5段階の割合は僅かしか増えておらず、社会環境や競合状況の変化に素早く対応する体制を整備することの難しさは依然として残る。このことから、AI技術の進化は急速で、それらの新技術をデータ運用にタイムリーに取り入れ続けるのは容易ではない様子がうかがえる。
そのため、今後のデータ運用は、データ駆動型の業務自動化に対応するために大きく変わると予測されている。その実現には、組織内のデータ品質や整合性の改善、業務遂行に必要な知識の形式化や知識ベース化、処方的分析の精度を高めるためのエージェントの設計および複数エージェントによる協調動作のマネジメントなどが求められるとしている。
IDC Japanのリサーチマネージャである鈴木康介氏は「データプラットフォームの役割は、従来の業務システムのデータ管理やビジネス分析用データ運用基盤だけでなく、AIを活用したデータ駆動型の業務自動化や組織の知識ベース拡充へと広がる新たなフェーズに向かっている。これにより組織の生産性と利便性が大幅に向上するが、それと同時に、データガバナンスやセキュリティのレベル強化も必要であり、データ運用体制の継続的な革新が求められる」と分析している。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。