NECソリューションイノベータ株式会社は、農業の匠の技を形式知化し継承を支援する「NEC農業技術学習支援システム」の最新版を、10月5日より順次販売開始する。今回の最新版では、学習コンテンツの作成を支援する「導入支援コンサルティングサービス」と、同システムに蓄積された学習コンテンツを広く他の地域へ提供を可能にする「コンテンツ流通機能」が追加された。追加されたサービスおよび機能は、自治体・JA・農業法人向けに順次提供を行っていくという。
「導入支援コンサルティングサービス」は、熟練農家と非熟練農家の作業を比較・分析し、熟練農家の「状態把握」と「判断」のポイントを抽出して、学習コンテンツの作成を支援するもの。同サービスを利用することで、実際の栽培管理作業に合わせた、有効性の高い学習コンテンツを作成することが可能になる。
また、「コンテンツ流通機能」では、同システムに蓄積された農業技術やノウハウを、同システムを利用する他の地域に提供することができる。これにより、自身が持つ農業技術を後世に残したいと考えている熟練農家が、離れた地域に対しても、農業技術を継承できるようになる。更に、貴重な栽培ノウハウがさまざまな地域に流通することで、日本の栽培品質の向上に寄与することを目指すという。
価格と販売開始時期は以下のとおり。
- NEC 農業技術学習支援システム 導入支援コンサルティングサービス
価格(税別):2,000,000円~
販売開始時期:2016年10月5日
※「NEC 農業技術学習支援システム」の初期費用および月額利用料が別途必要 - NEC 農業技術学習支援システム(コンテンツ流通機能付き)
価格(税別):70,000円~/月(予定)
販売開始時期:2017年1月(予定)
※初期費用が別途必要
学習コンテンツの作成を支援
「導入支援コンサルティングサービス」では、熟練農家と非熟練農家の農作業の違いは、「状態把握」と「判断」の違いによって生じるという考えに基づき、熟練農家と非熟練農家の作業を比較・分析し、有効性の高い学習コンテンツの作成を支援する。
例えば、果樹の剪定作業では、熟練農家は、樹全体と個々の枝の状態を観察し「状態把握」を行い、その把握した状態から、樹の内側への日当たりや葉の裏への散布薬剤の届きやすさ、来年、再来年の花のつけ方や実のならせ方を「判断」のポイントとして、剪定作業を行う。
同サービスでは、このような、長年の経験から自然と行われてきた熟練農家の作業を非熟練農家の作業と比較・分析することで、それぞれの栽培管理作業に合わせた学習コンテンツを作成していくという。
<サービスの流れ>
(1)熟練農家と非熟練農家の動作を映像で、作業時の視点を視点計測カメラでそれぞれ記録し、同一の栽培管理作業における両者の動作の差、視点の差を抽出。
(2)熟練農家特有の動作や視点から「状態把握」と「判断」および、その結果行われる「作業」を熟練技術と位置づけ、明文化。
(3)明文化した熟練技術から、学習コンテンツを作成。
農業技術・ノウハウの他地域提供を支援
「コンテンツ流通機能」は、「NEC 農業技術学習支援システム」に蓄積された農業技術やノウハウを、同システムを利用している他の利用者に、利用する権利を管理しながら提供できるもの。提供する学習コンテンツは、栽培管理作業等に関する解説文とQ&A形式のコンテンツを組み合わせて作成される。
また同社は、「コンテンツ流通機能」を活用し、農業の匠の技を学習コンテンツとして販売する事業の検討を進めている。今後、学習コンテンツに必要な農業技術やノウハウを募集する予定だという。
「導入支援コンサルティングサービス」の支援メニューについては、[PDF]別紙を参照。
【関連リンク】
・NECソリューションイノベータ(NES)
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