豊田市つながる社会実証推進協議会、「地方版IoT推進ラボ」に選定

経済産業省及びIoT推進ラボは先進的なIoTプロジェクトを発掘し、社会実装に向けた環境整備を進める中で、地域におけるIoTプロジェクト創出を支援するため、「地方版IoT推進ラボ」を選定している。今回、豊田市つながる社会実証推進協議会が愛知県内の市町村のラボとして初めて選定※された。同協議会は、専門的な視点で語られやすいAI・IoTについて、市民や中小企業にも理解しやすい視点で、様々な取り組みを展開していくという。

「豊田市つながる社会実証推進協議会」は、豊田市を筆頭に、豊田市内の企業・研究機関など38団体が参画し、「民・産・金・学・官」が連携する組織。AI・IoTなどの先進技術を積極的に活用し、市民生活の安全・安心の向上を進めるために活動している。

同協議会では、これまでもIoTに関する取り組みを行ってきたが、今回の選定を受け、市民目線での「AI・IoT」をテーマに、市民や地元中小企業向けのセミナーや、モビリティ(乗り物)とIoTを組み合わせた体験型実証に着手。市民や地元企業にとって「役に立つAI・IoT」を、いちはやく社会に実装していくという。

市民目線のAI・IoTの入門セミナー

同協議会では、市民・地元中小企業などを対象にした入門セミナーを開催。第1回目は、「つながるセミナー2017 ~つながる世界がよくわかる‐はじめてのAI/IoT~」と題して、有限責任監査法人トーマツの三輪大介氏がAI・IoTの基礎について講演したほか、小島プレス工業株式会社の兼子邦彦参事が、自社で運用するPepperとともに講演。自社の労働力不足を補うために、独自のプログラムで高度化したPepperを工場で運用している実例について、Pepper自身が講演した。この他にも、名古屋大学未来社会創造機構 手嶋茂晴特任教授が、市民参加型の位置情報収集実証を紹介し、市民の身近にあるIoTについての理解促進を図った。

また、第2弾として、「クルマのミライがよくわかる ~これからのEV~」と題した講演会を開催。商品ジャーナリストの北村森氏から今後のEVのあり方への問題提起がされ、続いて、トヨタ自動車株式会社EV事業企画室室長の豊島浩二氏の講演が行われた。

交通社会ダイナミックマップ

市民目線のセミナーとあわせて、市民が実際に参加できる実証も推進している。その一つとして、協議会員である名古屋大学未来社会創造機構が中心となって行っているのが、人や自動車など道路を移動するものの高精度な位置を収集・活用しようとする「交通社会ダイナミックマップ」実証。高機能/大規模なシステムでありながら、市民ボランティアが持つスマートフォンや既存インフラを活用することでシステム構築と運用での大幅なコストダウンを図る。

この技術を活用することで、友人との待ち合わせ時や、バス・電車などの公共交通・送迎車両、さらにはゴミ収集車などの公共事業車まで、様々な人やモノがスマートフォン等から位置確認可能になるという。

豊田市つながる社会実証推進協議会、「地方版IoT推進ラボ」に選定

超小型電気自動車シェアリングサービス「Ha:mo RIDE(ハーモライド)」

豊田市内で既に、市民や地域企業の参加を得て運用中の超小型電気自動車のシェアリングサービス「Ha:mo RIDE(ハーモライド)」へのナビゲーションシステムの搭載も検討中。タブレット端末を活用し、あらかじめ登録してある市内のおすすめルートを選ぶことで案内が開始される仕組みを想定。Ha:mo RIDEユーザーの豊田市内回遊を促す狙いがある。

豊田市つながる社会実証推進協議会、「地方版IoT推進ラボ」に選定

「ホワイトコムス」の運用

さらに、超小型EVの多角利用に向けて、何も塗装がされていない真っ白な状態の超小型電気自動車「コムス」(ホワイトコムス)を確保、その運用についても、協議会として参画していく。Ha:mo RIDEの車両としても採用されている「コムス」自体のPRはもちろん、車体ラッピングでの市民向けのプロモーション媒体としての活用など、様々な活用手法を市民も巻き込みながら検討、実施していく予定としている。また、ゆくゆくは車体の改造など機能面も含めた実証も検討しているという。

豊田市つながる社会実証推進協議会、「地方版IoT推進ラボ」に選定

※「豊田市IoT推進ラボ」は、「名古屋市IoT推進ラボ」とともに、愛知県内の市町村では初めて選定された。

【関連リンク】
経済産業省(METI)
有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)
小島プレス工業(KOJIMA INDUSTRIES)
名古屋大学(Nagoya University)
トヨタ(TOYOTA)

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