ヤマハ株式会社が開発した自然応答技術「HEARTalk(※1)」を搭載した初の製品が、電子工作用の電子部品を販売する株式会社スイッチサイエンスから販売された。価格は、9,180円(税込)。
昨今、3Dプリンタをはじめとした個人向けのデジタル工作機械の発達や、CADに代表されるデジタル設計技術の一般化に伴い、個人でものづくりを行う動きが活発化している。こうした動きや市場は、メイカームーブメントやパーソナルファブリケーションと呼ばれており、総務省 情報通信政策研究所の報告(※2)によると、「3Dプリンタ等の普及により、インターネットを介してアイデアやデータを交換して、個人レベルでもものづくりを行うことが可能となる新しい社会(ファブ社会)が到来しつつある」とされている。
同社はこうした「個人のものづくり」の成長性と可能性に着目し、これまで同市場に向けた技術投入やイベント協賛などを積極的に行ってきたという。2013年10月に、同社の歌って奏でる半導体「NSX-1」を搭載した音源基板「eVY1 シールド」がスイッチサイエンスより発売されたほか、「YouFab Global Creative Awards2016」への協賛、「Maker Faire Tokyo」への出展をはじめ、メイカームーブメントやパーソナルファブリケーション領域への技術提供や、関連イベントへの出展・協賛を重ねてきた。
今回のスイッチサイエンス「HEARTalk UU-001」への技術提供は、この一環として行われたもので、ハードウェア関連の施策としては「eVY1 シールド」への技術提供に続いて第2弾となる。また今夏には、第3弾として新しい製品の提供も予定されており、同市場への技術・製品投入を加速させることで、同社は今後もより積極的に「個人のものづくり」を支援していくとしている。
スイッチサイエンス「HEARTalk UU-001(ハートーク ユーツー-ゼロゼロワン)」は、電子楽器「ウダー」を製作する宇田道信氏が企画を担当した製品で、自作の工作機械やロボットに自然応答技術「HEARTalk」を組み込むことができる電子工作向け基板。「HEARTalk」とは、人間と機械との会話を自然にするために開発されたヤマハの独自技術で、人間の呼びかけ音声の音楽的要素をリアルタイムに解析し、機械の応答音声の強さ、抑揚、間、高さを自然にすることができる技術。
「HEARTalk UU-001」を自作の工作機械やロボットに簡単に組み込めば、人間の問いかけに自然に応答する機能を簡単に付加することができるという。
※1 『HEARTalk』は、人間の呼びかけの「韻律」をリアルタイムに解析し、応答に適した自然な「韻律」を導出することができる新技術。
※2「ファブ社会の基盤設計に関する検討会の報告書」
【関連リンク】
・ヤマハ(YAMAHA)
・スイッチサイエンス(SWITCHSCIENCE)
・HEARTALK-UU-001
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