リソグラフィ光源の主要メーカーであるギガフォトン株式会社は、現在開発中のEUVスキャナー用レーザー生成プラズマ(LPP)光源のプロトタイプ機において、エネルギー安定性平均0.5%以下にて、ロジック生産適用可能レベルである出力108Wの安定発光を、24時間連続運転で成功させたと発表した。
この成果は、これまでギガフォトンが開発を続けてきた、20μm以下の微小ドロップレットの供給技術、固体レーザーによるプリパルスとCO2レーザーによるメインパルスの組み合わせ、磁場を使ったデブリ除去技術をさらに進化させたこと、およびエネルギー制御技術の改善によって達成された。ギガフォトンでは、2015年末までに高出力検証機を稼働し、今後メモリー等への量産対応目安である250Wレベルの達成を目指す。
ギガフォトン代表取締役副社長兼CTOである溝口計氏は、次のようにコメントしている。「出力108Wにて24時間の連続運転に成功したことは、半導体量産工場が待望する高出力、低ランニングコストで安定稼働が可能なEUV光源の完成が間近であること示しています。また本件の他に、EUVL基盤開発センター(EIDEC)でのEUVレジスト アウトガスコントロール プログラムが使用しているEUV照射装置には、ギガフォトンのEUV光源が採用されており、EUV用レジストの開発に貢献しております。このようなギガフォトンの高度な技術力と量産に向けた開発努力は、量産用EUVスキャナーの開発を加速させ、次世代露光技術としてのEUVスキャナーの導入時期を一層早めるだけでなく、半導体の性能向上を進化させ、ひいてはIoTなどの情報技術を支える基幹技術として、産業の発展に寄与する画期的な成果であると確信しております」。
ギガフォトンの最新のEUV光源開発状況については、12月16日から18日まで東京ビッグサイトで開催されるSEMICON Japan 2015にて発表予定だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。