IDC Japan株式会社は、国内プライベートクラウド市場予測を発表した。これによると2020年の国内プライベートクラウド市場規模は、前年比19.9%増の8,747億円になると予測している。また、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は28.6%で推移し、2024年の市場規模は2019年比3.5倍の2兆5,658億円になるとIDCは見ている。
国内市場では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、多くの企業がIT投資を抑制しており、導入プロジェクトの遅延も見られる。その影響によって、2020年の国内プライベートクラウド市場は成長が鈍化している。
現在の国内プライベートクラウド市場は、ITの効率化を目的とした「仮想デスクトップの導入」や「従来型ITからの移行」が同市場の成長を牽引している。一方、企業の関心はITの効率化からDXへと拡大している。もちろん、プライベートクラウドは発展しており、DXを支える基盤として「コンテナ環境」「人工知能/機械学習」「オープンAPI」などの新技術への対応が進んでいる。
さらには、ベンダーが有するIT資産を「サービス(as a Service)」として提供するホステッドプライベートクラウドは「産業特化型クラウドサービス」「パブリッククラウドの技術を活用したローカルクラウド」など、多様に発展している。今後の国内プライベートクラウド市場は、ITの効率化だけではなく、産業特化型ソリューションによる付加価値化や、企業のDXを支える基盤として高い成長を継続するとIDCは予測した。
COVID-19の影響によって、企業のDXに対する意識は高まっており、プライベートクラウドに対する期待も変化が見られる。IDC Japan ITサービスのリサーチディレクターである松本聡氏は「ベンダーは、これまでの延長線上で製品/サービスを強化するのではなく、産業特化型やハイブリッドクラウドを容易に実現するソリューション化が重要となる」と分析している。
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