IDC Japan株式会社は、国内の携帯電話およびスマートフォン端末の2020年第4四半期(10~12月)、および2020年通年(1月~12月)の出荷台数を発表した。
これによると、2020年第4四半期、国内市場の携帯電話の合計出荷台数は、前年同期比10.6%増の1,143.2万台となった。この増加の要因としては、アップルの出荷台数が5G対応の新機種を中心に前年同期比13.8%増の601.5万台の出荷となったほか、Android系も中間~低価格帯の製品が多く出荷されたことで前年同期比6.5%増の528.6万台となったことが挙げられる。
同四半期をベンダー別で見ると、アップルがシェア52.6%でトップ、2位は141.4万台を出荷したシャープ(シェア12.4%)、3位は80.1万台出荷の京セラ(同7.0%)、4位に78.1万台出荷のサムスン(同6.8%)、5位は73.2万台出荷のソニー(同6.4%)となった。
スマートフォンについては、2020年第4四半期の出荷台数は1,130.1万台(前年同期比10.3%増)となった。
また、2020年通年では、前年比5.9%増の3,363.3万台の出荷となった。ベンダー別シェアの上位5社については、アップルが1,563.7万台(シェア46.5%)でトップ、2位は447.4万台(同13.3%)のシャープ、3位は279.4万台(同8.3%)の富士通と271.1万台(同8.1%)のサムスンがタイで並び、そして5位は251.0万台(同7.5%)の京セラとなった。
アップルの出荷台数は前年比8.3%増となった。また、シャープはAQUOS Sense3シリーズを中心に、中間価格帯での出荷が好調だったこともあり、2位を維持した。富士通は「らくらくスマートフォン」シリーズが好調なことが貢献し、前年比5.1%増の成長となった。
また、サムスンの4位入りには、5G対応モデルのGalaxy Sシリーズの出荷が好調だったことや、多くの消費者にとって手の届きやすい価格帯の同Aシリーズなどで好調な出荷だったことが貢献した。京セラはエルダー層向けのBASIOシリーズなどが好調で、5位にランクインした。
スマートフォンについては、2020年通年の出荷台数は前年比5.9%増の3,302.8万台となった。「分離プラン」の導入により多くのベンダーが出荷量を減らした2019年と比べ、2020年は5G対応モデルの出荷に加え、iPhone SEなど比較的廉価な4Gモデルが多く発売されたこともその要因と考えられる。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューションのシニアマーケットアナリストである菅原啓氏は「新型コロナウイルス感染症の流行による外出自粛などの措置が行われた2020年だったが、結果としては2019年を上回る出荷台数となっており、7.5%減となった2019年からの回復がみられる。ただし、端末の平均単価の下落傾向は依然として続いており、出荷台数の少ないベンダーにとっては厳しい情勢が継続することは否定できず、5G時代に向けて消費者の選択肢が減ることが懸念される」と述べている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。