昨今、流通業界では、慢性的な人手不足や働き方改革、新型感染症の予防対策など、現場に負荷のかかる作業が増しているという。
さらに、バックオフィスの仕事に従事する各従業員のスキルや、各々の業務内容といった、現場状況の把握が難しく、計画作成等の間接的な作業に時間がかかることが、生産性や利益率向上にとっての課題でもある。
そうした中、パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社および、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社は、流通店舗のバックオフィスでの、標準シフトモデルの構築を可能にするSaaS型業務アプリケーション「CYTIS Shift for Retail」の提供を開始した。
またイオングループの中核を担う、イオンリテール株式会社の総合スーパー(GMS)62店舗のバックオフィス改革のため、「CYTIS Shift for Retail」の仕様をカスタマイズした「AIワーク」を導入した。
「CYTIS Shift for Retail」では、現場で得られたデータに、インダストリアル・エンジニアリングのノウハウを加味し、今まで全店で共通化されていなかった業務の種類や従業員のスキルレベルを、どの店舗でも同じ認識になるよう定義している。
業務の種類、各従業員のスキルレベル等に加え、客数予測(※1)や入庫荷物数、製造計画や勤務実績などのデータ(※2)に基づいて、時間帯別にどの業務に何人必要というものを算出した「ワークモデル」を自動作成。それらのデータをもとに、勤務計画や作業計画を自動で作成できる点が特長だ。
これにより、作成した勤務計画や作業計画に沿って日々の業務を行い、計画と、実際の勤務実績とを比較・評価することができるようになる。この計画と実績のデータを継続して取得しつづけることで、1日の従業員1人当たりの生産性を保ちながら、過剰な残業のない必要最低限の人数で、バックオフィスの業務を効率化できる「標準シフトモデル」を構築することが可能となる。
また、標準シフトモデルの導入が進んだ店舗に、導入後の実績収集の仕組みを提供することで、人が多すぎた、或いは足りなかったなどの、計画と実績とのギャップの分析をAIで行う。(トップ画参照)
そして計画と実績のギャップから、AIが最適な標準工数(RE値)を算出し、計画の精度向上を図ることにより、自律的に効率化できる現場運営につなげることができるようになる。
なお、これまでのイオンリテール株式会社との取り組みの中で、店舗を支えるバックオフィス側の運営効率を良くすることが、結果的には流通店舗全体の運営・売上向上に大きく関係することが実証されているという。
※1 来店客数や入庫荷物数などの予測を導入企業が保有する場合に連携が可能。
※2 導入企業が基幹システムに過去の勤務実績などのデータを保有している場合に連携が可能。
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