ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)は、コンビニエンスストアにおけるデジタルサイネージの広告効果向上を目的とする、エッジAI技術を用いた視認検知ソリューションを、国内500店舗に向けて導入を開始した。
SSSが今回導入したのは、センサ内でAI処理可能なエッジデバイスを用いることで、来店客のデジタルサイネージに向けられた視認を自動検知し、視聴人数や視聴率を把握するソリューションだ。
センサに搭載されたAIが、検知エリア内に入った人数と、サイネージへの視認の有無、視認者数・時間などのデータを効率的に取得する。また、個人を特定する画像データを出力しないため、プライバシーに配慮した効果測定が可能だ。
導入されるソリューションは、AI処理機能を持つSSSのインテリジェントビジョンセンサ「IMX500」によるデータ取得が特徴だ。「IMX500」は、人数やデジタルサイネージの視聴数・時間などを自動で検知し、これらのメタデータをバックエンドのシステムに送信する。
これにより、コンテンツ配信情報や購買データと掛け合わせた効果測定と分析が可能となる。加えて、エッジデバイスは小型で、AI推論のためのエッジAIボックスなどの別デバイスを必要としないため、スペースが限られた店舗内での設置も可能だ。
さらに、「IMX500」搭載のエッジデバイスからは軽量なメタデータのみが出力され、クラウドへの送信データ量が抑えられるため、多店舗展開時に設置されるデバイスが増えても、ネットワークへの負荷を抑え、通信、クラウドストレージ、演算にかかるコストを削減できる。
このソリューションの構築と運用を担うのは、SSSのエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」だ。これにより、第三者のサービスを介さずに、顧客とSSSで完結したサービスが提供でき、持続的な稼働・運用が可能となる。
なおこのソリューションは、セブン‐イレブン・ジャパンが保有するMicrosoftインフラ上にインストールされ、既存システムとの接続や連携を容易にする。また、同社が保有するデータを自社のインフラ外に出す必要がないため、システムのカスタマイズやセキュリティの観点でメリットがあるとしている。
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