協働ロボットの導入においては、労働安全衛生規則に則り、操作者への教育や標準規格に従った安全確保を図ること、ワークを変更するたびの教示作業や維持するための定型作業を実施することが必要である。しかし、これらの必要事項を自社で対応することが導入の障壁となっている場合がある。
株式会社日立ソリューションズ・テクノロジーは、協働ロボット導入時における企業の課題軽減を目的に「協働ロボット活用ソリューション」を強化し、提供を開始した。今回新設および強化された内容は以下の通り。
- 教示トレーニングサービス(強化)
- 安全アセスメント支援サービス(新設)
- 運用アウトソーシングサービス(新設)
- 教示支援サービス(強化)
労働安全衛生規則により、協働ロボットを含む産業ロボットを操作する人は、安全衛生特別教育の受講が義務付けられ、事業者は必ず作業者に受講させる必要がある。日立ソリューションズ・テクノロジーは、協働ロボット操作の教育に加えて安全衛生特別教育を実施し、受講者は労働安全に関する知識と修了証を取得することができる。
具体的には、4名の受講者が日立ソリューションズ・テクノロジーの本社にて3日間の研修を行う。使用する協働ロボットはユニバーサルロボット株式会社のUR5e/UR3e、ファナック株式会社のCRX-10iAだ。
研修カリキュラムとして、オリエンテーション、安全衛生特別教育に基づく科目(産業用ロボットに関する知識、教示等に関する知識、関連法令等)、実技教育(ピッキング、安全設定、ピッキングの最適化、プログラムフロー、事例紹介、日常操作、オンライン資料)を行う。
労働安全衛生規則により、協働ロボットを動かす上でリスクアセスメントに基づく措置の実施、技術ファイル・適合宣言書の作成が求められている。日立ソリューションズ・テクノロジーは、リスクアセスメントの実施、リスクアセスメントに基づくコンサルティング、技術ファイル・適合宣言書の作成を支援する。
全国約300拠点をもつ株式会社日立システムズフィールドサービスと連携して、生産技術部門のロボットに関する繁雑な定型作業の代行を支援する。具体的には、保守窓口を一本化して故障受付後サービス拠点への出動要請等のインシデント管理をする受付サービスや、トラブルの通報を受けたエンジニアが駆け付け技術問診による一次切り分けや復旧オペレーション、ベンダー対応代行、予備機交換を行う。
協働ロボット単独の教示作業だけでなく、PLC(Programmable Logic Controller)を含んだロボットシステムの構築を支援する。また、教示作業のオンサイト支援サービス(業務委託契約)や、ユニバーサルロボットのUR16e/UR10e/UR5e/UR3e及びファナックのCRX-10iAを利用してワークの画像認識や移動(ピック・アンド・プレース(※1)、パレタイジング(※2)等)におけるプログラミング教示を支援する。
※1 ピック・アンド・プレース:特定の位置にある対象物を把持し、移送したい位置に対象物を下ろす一連の作業。
※2 パレタイジング:ラインの特定位置にある対象物をパレット上に配置、固定する作業。
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