ヤマハ発動機・ドコモ他4者、ORiNと5Gを活用して複数メーカーの産業用ロボットを1つのソフトウェアで遠隔操作する実証実験を実施

現在、製造業の工場ではさまざまなメーカーの機器が動いており、これらを統合的に制御・監視するためにはソフトウェア側がそれぞれに対応する必要があり、プログラマーの学習コストやメンテナンスコストの増加が懸念されている。また、工場内の機器同士を接続するためにプロトコルごとに大量のケーブルが敷設されており、機器の設置位置の柔軟な変更ができないという課題がある。

ヤマハ発動機株式会社、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、株式会社デンソーウェーブ、カワダロボティクス株式会社、株式会社オフィスエフエイ・コム、ORiN協議会は、5Gを活用して、複数メーカーの産業用ロボットを統合的に遠隔操作する実証実験を行い、成功したことを発表した。

同実証実験は、2021年3月4日~4月7日にドコモオープンイノベーションラボ四ツ谷において、ヤマハ発動機のスカラロボットとカワダロボティクスのヒト型ロボットを用いて、操作者の入力デバイスからの信号を、異なるメーカーの産業機器の規格を統合するミドルウェア「ORiN」で変換し、5Gを経由して遠隔側のロボットを操作した。

現場でロボットが動く様子は5Gを介して遠隔のロボット操作者に届けられ、操作者がディスプレイに映る映像を見ながら、2つのロボットの動作を入力デバイスで指示した。

ロボットの操作者側には、ロボットへ指令入力する入力デバイスと操作用のディスプレイを設置し、遠隔側には制御対象の産業用ロボットとモニタリング用の4Kカメラを設置した。操作者側の機器と遠隔側の機器は、5Gルーターと閉域接続サービス「クラウドダイレクト」を介して接続している。

ヤマハ発動機・ドコモ他4者、ORiNと5Gを活用して複数メーカーの産業用ロボットを1つのソフトウェアで遠隔操作する実証実験を実施
実証実験の様子
同実証実験の結果、異なるメーカーの産業用ロボットであっても、ORiNを介することでメーカーの仕様の差分を吸収し、統合的に接続できることが確認できた。また、5Gを使用することで、現場の4K映像をリアルタイムにロボット操作者のディスプレイに表示できることおよび、操作者のロボットへの入力信号のタイムリーな反映ができることを確認した。これにより、操作者の違和感を軽減し、円滑な操作を実現するとのことだ。

同実証実験で構築した仕組みを採用することで、遠隔の環境であったとしてもORiNを介して製造業で使用されている異なるメーカーの機器同士を汎用的な言語で接続し、ケーブルを5Gに置き換えることで工場内をワイヤレスに接続し、柔軟なレイアウト変更を実現する。

なお、同実証実験における各者の役割は以下の通り。

  • ドコモ:5G・クラウドダイレクトの提供、5G端末の提供
  • デンソーウェーブ:ORiNおよびロボットとの接続インターフェースの開発
  • ヤマハ発動機:産業用スカラロボット(YK400XE、RCX340)の提供
  • カワダロボティクス:産業用ヒト型ロボット(NEXTAGE OPEN)の提供
  • オフィスエフエイ・コム:システムの構築およびORiNを用いた遠隔操作、ソフトウェア開発
  • ORiN協議会:実証実験の全体統括

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