データセンターをはじめとしたビル管理業界では人手不足が深刻化しており、中でも設備管理業務は熟練者の不足が問題となっている。
一般的な設備管理業務では、事故や故障を防ぐための管理計画の策定・実施や、異常の早期発見を行うための点検、故障等から復旧するための修繕、さらにはこうした業務の記録・報告等が必要とされている。
そうした中、株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、同社が運営するデータセンター「NTT品川TWINS DATA棟」(以下、品川データセンター)において、ロボットを使った設備点検業務の遠隔化及び自動化の取り組みを行い、従来人手で行われていた設備点検業務を約50%削減できることを確認したことを発表した。
この取り組みでは、あらかじめ設定した点検ルートをロボットが自動巡回し、メータやランプ、設備外観の撮影、センサによる臭気などの環境データの取得を行うことで、人が行っていたメータ測定やランプ確認、外観異常・異臭チェックの業務を代替する。
この方法の場合、1つのカメラやセンサで複数箇所の点検を行うことができ、稼働中の現用設備に手を入れる必要がなくなる。
これにより、従来熟練者が毎日1~2時間かけて行っていた点検業務を代替し、働き方変革やデータ化による熟練者ノウハウの可視化といった効果を得ることができる。
なお、今回用いられたロボットは、ugo株式会社と共同で設備点検業務用にugo Proを改良しており、高画質な4Kカメラやにおいセンサーやマイク、サーモカメラなど、点検項目に応じて搭載している。
今後NTTデータは、この取り組みを全国15の当社データセンターへ順次展開するという。
また、メーター読み取りシステムや異常検知AIとの連携を進め、現在担当者による実施が必要となる記録・報告作業を自動化することで、点検業務時間の最大80%削減を目指すとしている。
さらに、ロボットやセンサで得られたデータを活用したより高度な異常検知や予知保全に取り組み、得られた知見をもとに、2023年度中に設備点検業務の遠隔化及び自動化サービスとして商用提供する予定だ。
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