矢崎総業株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は、自動車の電気・電子機器間をつなぎ、自動車内の電力供給および情報伝送を行う製品であるワイヤーハーネス製造において、NECの「NEC デジタルロボット動作計画ソリューション」を用い、複数台ロボットの動作プランをAIで自動生成する実証実験を実施した。
今回実証実験で活用されたシステムは、NECが開発した「NEC デジタルロボット動作計画ソリューション」と、矢崎総業のワイヤーハーネス組立向けロボットシステム及びシミュレータを組み合わせて構築されている。
具体的には、AIに製品デザインや作業内容などの製品データを入力し、AIとシミュレータを連携させる。これにより、製造時間を最小化しつつ、複数台ロボット同士や周囲の装置が干渉しないことを両立する動作プランを自動生成する。
動作後に干渉がある場合は、AIに通知して干渉を回避する動作プランを再計算する。さらに、新製品投入時や製品の仕様変更時、製品データをAIに入力すると、短時間で動作プランを算出し、ティーチング工程を不要することが可能だ。
![矢崎総業とNEC、複数台ロボットの動作プランをAIで自動生成する実証を実施](https://iotnews.jp/wp-content/uploads/7f9d0072fa573c39f122bee0de9c176b.jpg)
今回の実証実験では、技術者が従来40日を要していたティーチング(産業用ロボットの動作プランを作成する作業)を不要化し、AIにより1日で動作プランを自動生成できることが確認された。
また、生産速度を高めるための動作プランをAIが試行錯誤し、製造工程にかかる時間の約10%短縮を実現した。
この結果を受け、2023年10月より、ワイヤーハーネスの量産に向けて試験を実施し、2025年7月の実導入を目指す。
今後NECは、2024年にこのソリューションの製品化を目指すとともに、将来的にはグローバルに展開していく予定だ。
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