株式会社NTT ドコモ(以下、ドコモ)と慶應義塾大学ハプティクス研究センター(以下、慶大)は、慶大が開発したロボット制御技術「リアルハプティクス」を活用して、半自律型ロボットハンド・アームの無線自律制御に成功したことを発表した。
リアルハプティクスは、人間のような微妙な力加減をロボットにも可能にする技術だ。
今回リアルハプティクスを活用したロボットは、物を掴む際の力加減(力触覚情報)から物の材質を判別し、物に適した行動を自律的に選択することが可能だ。
5GとMECを組み合わせた自律制御システムで、力触覚情報のリアルタイム分析を行っている。材質判別にはカメラなどの視覚情報を使用せず、力触覚情報から判別しているため、視覚では判別が難しい表面と中身の弾力感が異なる物も適切に扱うことができる。
例えば、飲食店での皿の配膳シーンにおいて、数種類の皿の材質や重みを判別し、皿を潰すことや落とすことなく、指定先までの配膳を自律的に行うことができる。
自律制御システムの仕組みとしては、まず、リアルハプティクス搭載ロボットで計測できる力触覚情報を、MECへ常時アップロードする。そして、MEC側でロボットが皿を掴んだことを確認できたら、皿の材質や重さを推定する。
認知した情報にもとづいて、次のアクションを判断し、判断結果に対応した制御情報をフォロワーロボットへ送信する。
ネットワーク構成は、docomo MECをリアルハプティクス搭載ロボット制御の中心として、遠隔操作や自律制御を可能としている。
docomo MECには、手元側装置のリーダと遠方側装置のフォロワーを繋ぎ合わせる接続管理システムを実装。遠隔操作では、リーダーとフォロワー間で双方向に転送される制御情報を、docomo MECが仲介する。
一方、自律制御の際は、docomo MECがフォロワーへ制御情報を送信する。これらの通信には、docomo MECのオプションであるサービス「MEC ダイレクト」が活用され、ロボットとMEC基盤を直結するように通信経路が最適化されている。
両者は、このロボットを活用することで、新たな業種でのリモートワークの創出、移動に制約のある人々の社会参加支援に加え、無線自律制御によるロボットの軽量化を推進し、身近なシーンでのロボットの活用を促進するとしている。
なお、ドコモの技術と「リアルハプティクス」を組み合わせた取り組みは、2024年1月17日からドコモが開催する「docomo Open Houseʼ24」で紹介される予定だ。
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