NTT Com、サービスロボット連携や音声認識機能を備えたスマートホテルソリューションを提供開始

現在の日本国内の観光需要は、インバウンド、日本人国内旅行者数とも、コロナ前の2019年の約8割まで回復しており、今後さらなる増加が見込まれる。一方で、宿泊業界は深刻な人材不足状態にあり、多言語対応のできるスタッフの確保も難しいという課題がある。

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)では、宿泊施設の運用に関わる多岐にわたるシステムをまとめて構築し、コンサルから運用・保守まで一元的に提供できる点を特長とした、データ利活用型のスマートホテルソリューションを提供している。

宿泊施設の客室制御盤(※1)に客室制御/情報管理システムを連携させることで、宿泊者の在室状況のリアルタイム把握による照明・空調制御や清掃タイミングの可視化などを実現し、おもてなしと省エネルギーの両立や従業員の業務効率化といった課題解決に貢献してきた。

このほどNTT Comは、スマートホテルソリューションに、サービスロボットとの連携、音声認識機能を新たに追加すると発表した。

同機能では、複数メーカー製のロボットを制御しエレベーターや自動ドアなどのビル設備と連携した自律走行を実現する「Smart Data Platform for City(※2)」を活用することで、インルームダイニングや備品などのデリバリー、宿泊客の到着・出発時の荷物の運搬業務、階をまたいだ宿泊者の案内などさまざまな業務をサービスロボットが担えるようになった。

ロボットは客室制御/情報管理システムを通じて客室内設備と連携しており、チャイムの鳴動やディスプレイへのメッセージを通じて宿泊客に到着を知らせることができる。荷物の運搬業務では、宿泊客に随行する、あらかじめ指定した時間に到着するなどの柔軟な対応が可能だ。

また、宿泊客との接点(UI)に、従来からあるタブレットやIPTV(※3)などに加え、スマートスピーカーなどを活用した音声認識機能を追加することで、幅広い業務を自動化する。

例えば、ルームサービスなどの宿泊客からのリクエストを音声認識で受け付けることができる。リクエストは客室制御/情報管理システムを通じてオーダー管理システムに登録され、その他の方法で受け付けたリクエストとともに一元的に管理できる。また、多言語対応可能なスマートスピーカーなどと連携することで、インバウンドの宿泊者もタブレットなどの操作を介さずストレスなく各種リクエストを依頼することが可能となる。

さらに、従来はスイッチ、リモコンなどで操作していた照明、空調、カーテンなどの客室設備を音声で操作できる。これにより、インバウンドの宿泊者や、目の不自由な人や車いすの人などにとってバリアフリーで利便性の高い室内環境を提供できる。

これらの機能により、宿泊業界におけるインバウンド需要増加や人材不足といった課題への対応のほか、宿泊客に新しい宿泊体験を提供することで、従業員・宿泊客両方の満足度向上に貢献する。

NTT Comは今後、NTT独自の生成AI大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」を活用した宿泊客からの予約・問い合わせなどのカスタマーフロント業務の高度化による新たな顧客体験の提供や、Smart Data Platform for Cityとの連携強化による宿泊施設運営の更なる省人化・効率化、省エネルギー化への貢献を目指す。

※1 客室制御盤:客室内の照明や空調、カーテン開閉、各種センサーによる在不在検知など、客室設備の制御や客室内の状況の把握を行うための設備。
※2 Smart Data Platform(SDPF) for City:人の流れや施設内外の情報、ロボットなどのモノの情報など都市に点在するさまざまなデータをシームレスに融合できるプラットフォーム。
※3 IPTV:インターネットに接続されたテレビで、テレビ、ビデオオンデマンドの他、館内インフォメーションや各種サービスの提供が可能なテレビ。

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