東京工業高等専門学校と株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントは連携し、ロボットトイ「toio(トイオ)」の群制御およびデジタルツインを用いた卓上自動搬送システム教材を開発した。
「toio」は小さなキューブ型の移動ロボットだ。光学センサを内蔵し、専用のマットと組み合わせることで、絶対位置を用いた制御が可能だ。上部にブロックや工作物を取り付けて、テーマに合わせた形に変えられるほか、Bluetooth通信で指示することができる。
これにより、STEAM教育やロボットプログラミング教材として、また群ロボットやインタラクション研究のツールとしても活用されている。また、カード型やビジュアルプログラミング、JavaScriptやPython・Unityなどのテキストプログラミングと多様なプログラミングスタイルをサポートしており、小中高・高専・大学まで、幅広い学年・授業で活用されている。

今回、この「toio」を活用し、東京工業高等専門学校の今年度「デザイン工学」授業の公開を2回企画。1回目の授業公開を2024年6月28日に実施した。授業の主目的は、ロボットSIer(システムインテグレータ)という業種を知り、システムインテグレーションの素養を身に付けることだという。
この授業は、単なるものづくりの実習ではなく、顧客からの要求定義・仕様策定・設計・実装・テスト等プロジェクトマネジメントの手法に沿って開発を進め、技術的な素地を身につける構成になっており、90分×15回で完結するものだ。また、複数台の搬送ロボットやロボットアームなどを組み合わせ、社会実装につながる現実的なソリューションを提案する。
6月28日は11回目の授業であり、テストフェーズで、4人ずつのグループワークで動作等の確認を行った。2回目の授業公開は7月19日で、レビュー会を行い、7月26日の実機審査会で授業は終了する。
この授業は、機械工学科5年生の必須科目だが、数年後には他の学科の学生も選択科目として受講できるようになる計画だ。
なおこの取組は、独立行政法人国立高等専門学校機構の高専発!「Society 5.0型未来技術人財」育成事業の一環とのことだ。
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