カーボンニュートラルの一環として自動車の電動化が進んでいるが、電動化においては走行距離の確保・延伸や充電頻度の低減のために、バッテリーを大容量化することが有効な手段の一つになっている。
この大容量化によりバッテリー質量は500kg超と増加しており、自動車の走行安定性の観点から車体床面への搭載が一般的だが、組込みには低い位置で搬送・位置決めするライン構成が必要になる。
そこで株式会社安川電機は、電動自動車(以下、EV)の床面に取付けられることが多い大容量バッテリー組み付けに対応した1t可搬質量を持ち、低床部へアクセス可能(地上同一面まで降下可能)なスカラロボット「MOTOMAN-ME1000」を、2024年11月7日より販売を開始した。
「MOTOMAN-ME1000」の主な特長は、バッテリーおよびバッテリーをつかむハンド部の合計可搬質量が1tで、バッテリーの大容量化による質量の増加に対応している点だ。
また、バッテリー取付けには、車体床面付近の上下に狭い範囲での広い可動範囲が要求されることから、水平方向の稼働に有利なスカラ(水平多関節)機構を採用し、最大リーチ2440mmを確保している。
さらにロボット全体のたわみによる傾斜を補正する軸を付加しているほか、組み付け、搬送台車への移載、ワークの多段積み時に必要となる上下軸を装備している。装備する上下軸は2段昇降式を採用し、動作部をコンパクトにしつつ、2mという長ストロークとなっている。
スカラ機構では、ロボットアームの自重を支えるため、駆動モータで保持する必要がなく消費電力を削減することができる。スカラ機構により、ロボットアームの旋回動作範囲を必要最小限にし、周辺設備との干渉スペース確保の削減が可能だ。
主な用途としては、EV、PHEVなどの電動自動車へのバッテリー組み付け、工程間やAGVへのバッテリーの移載が挙げられている。
なお、EVバッテリー以外の重量物搬送用途への適用も可能とのことだ。
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