豊田自動織機、URの協働ロボットとバランサーを組み合わせたソリューションをエンジン工場に導入

株式会社豊田自動織機は、自動車、エンジン、コンプレッサー、ロジスティクス&フォークリフト、エレクトロニクス、繊維機械、物流等、幅広い分野で事業を展開している企業だ。同社の東知多工場では、「ランドクルーザー」や「ハイラックス」に搭載されるGD型ディーゼルエンジンなどを生産している。 

同工場では、若手人材の確保や熟練作業者の後継問題への対応が課題となっており、生産現場のスマート化・自動化推進が急務であった。

中でも、26kgの粗材をホイスト(電動吊り上げ装置)やワイヤー・チェーン・ベルトといった吊具を用いて手作業で投入する工程は、落下リスクや作業負荷が高く、安全性と省力化の観点から改善が求められていた。

こうした中、豊田自動織機は、東知多工場にユニバーサルロボット(以下、UR)の協働ロボット「UR10e」を導入したことを発表した。

「UR10e」は、12.5kgの可搬重量と1,300mmのロングリーチを備えた、小型の協働ロボットだ。

今回豊田自動織機は、「UR10e」と、既存設備であるバランサー(重量物の移動を補助する装置)を組み合わせたハイブリッドなソリューションを開発した。

具体的には、バランサーが粗材にかかる重力をサポートすることで、協働ロボットの可搬重量不足をカバー。「UR10e」が水平・上下方向の移動と姿勢制御および内蔵力覚センサを活用した力制御を行うことで、スムーズな動作を可能としている。

これにより、従来は人手で行っていた重量物の搬送作業を自動化することに成功した。また、当該作業の工数削減だけでなく、オペレータが隣接ラインの作業やサポートにも対応できるようになったのだという。

今後豊田自動織機は、今回の事例を他工場へ横展開するほか、エンジンの上げ下ろしやコンベア中心になっている工程など、さらなる自動化のモデルケースとして活用していく方針だ。

豊田自動織機のエンジン事業部 製造第二部 加工課課長である山田英貴氏は、「自動機を導入する際は、安全柵など設備が大きくなる傾向があるが、UR10eによる自動化ソリューションは、コンパクトに設置でき、かつ安全性が担保されている。そのため、他の作業工程への応用、あるいは他工場への横展開なども可能と考えている」と述べている。

また、豊田自動織機のエンジン事業部 生産技術部 開発室開発第1G グループ長である清水達也氏は、「自動化が先延ばしとなってしまわないためにも、まず協働ロボットを導入し、使いながら検証し、導入範囲を徐々に拡大していくことが重要。今回東知多工場がチャレンジしたことを積み重ねていくことが、自動化推進の近道になるだろう」とコメントしている。

無料メルマガ会員に登録しませんか?

膨大な記事を効率よくチェック!

IoTNEWSは、毎日10-20本の新着ニュースを公開しております。 また、デジタル社会に必要な視点を養う、DIGITIDEという特集コンテンツも毎日投稿しております。

そこで、週一回配信される、無料のメールマガジン会員になっていただくと、記事一覧やオリジナルコンテンツの情報が取得可能となります。

  • DXに関する最新ニュース
  • 曜日代わりのデジタル社会の潮流を知る『DIGITIDE』
  • 実践を重要視する方に聞く、インタビュー記事
  • 業務改革に必要なDX手法などDXノウハウ

など、多岐にわたるテーマが配信されております。

また、無料メルマガ会員になると、会員限定のコンテンツも読むことができます。

無料メールから、気になるテーマの記事だけをピックアップして読んでいただけます。 ぜひ、無料のメールマガジンを購読して、貴社の取り組みに役立ててください。

無料メルマガ会員登録