凸版印刷、スマートフォンとマイナンバーカードのみで非対面での本人確認を可能にするアプリを開発

従来、行政手続きや銀行口座・証券口座の開設、クレジットカード発行の際に本人確認を行うには、本人確認書類を伴う対面での手続きが必要だった。また、近年普及し始めている非対面での本人確認(eKYC)では自身の顔写真(セルフィ―画像)と本人確認書類画像の送付が必要となっており、生活者にとっては煩雑な手続き、サービス事業者にとっては事務部門による照合・点検作業が負担となっている。

さらに、新型コロナウイルス感染拡大により、様々な業界で非対面手続きのニーズが高まっている一方で、不正利用やなりすましによる問題が顕在化し始めており、行政や金融機関と同等レベルの本人確認が求められている状況である。

凸版印刷株式会社は、スマートフォンとマイナンバーカードでスピーディな非対面での本人確認を可能にする「本人確認アプリ」を開発し、2021年5月1日より提供を開始する。

同アプリは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が提供する公的個人認証システムと連携し、マイナンバーカードを使って本人確認を実行するものである。

具体的には、銀行口座やクレジットカードの申し込みをはじめとする金融機関取引や古物商い、シェアリングビジネスなど、非対面での各種サービス利用時に必要となる本人確認を行う場面で使用できる。

サービス利用者はスマートフォンに搭載されているNFC(※1)を活用し、マイナンバーカードをかざすことで、凸版印刷のJPKIプラットフォームと連携して本人確認を行うことができる。また、サービス事業者は本人確認書類の確認作業を削減でき、業務負荷の軽減が期待できる。

また、PCやスマートフォンのWEBブラウザからスムーズに同アプリを呼び出すことができるため、サービス事業者が保有する既存のWebサービスやスマートフォンアプリに本人確認機能を追加することができる。

さらに、スマートフォン向けのSDK(iOS・Android用)(※2)を用意しているため、サービス事業者がすでに用意しているアプリケーションに対して同アプリの機能を実装することができる。ユーザーはアプリの切り替えをすることなくサービス手続きを完了できるため、UXを損なうことなく公的個人認証による本人確認を実施することができる。

そして、同アプリではマイナンバーカードに含まれる、利用者証明用電子証明書(※3)、署名用電子証明書(※4)を使った公的個人認証だけでなく、基本4情報(※5)と個人番号を取得することも可能だ。従って、従業員の個人番号収集や保険金請求時の個人番号の収集といった労務管理や税務処理などの用途でも同アプリを使用することができる。

今後凸版印刷は、同アプリの提供を金融取引や公共サービス、CtoCビジネスを展開する様々な業界に向けて拡販を進めるとともに、本人確認結果と個人IDを結びつけるプラットフォームサービスの提供を行い、2025年までに関連受注を含め10億円の売上を目指すとしている。

※1 NFC:RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる無線通信による個体識別の技術の一種であり、近距離無線通信の技術を統一化した世界共通の規格。ICチップを内蔵したNFCタグをNFCのリーダ・ライタ機能を有する機器により読み取り・書き込みを行うことができる。
※2 SDK:ソフトウェア開発時に使用するツールセットのことでサンプルプログラムや技術文書などが含まれています。JPKIによる本人確認を実施したいサービス事業者は凸版印刷が提供するツールセットを自社のソフトウェアに実装することで各種機能を利用することが可能になります。
※3 利用者証明用電子証明書:インターネットサイトやコンビニ等のキオスク端末等にログインする際に利用する証明書。(マイナポータルへのログイン、コンビニでの公的な証明書の交付など)。ログインした者が、利用者本人であることを証明することができます。
※4 署名用電子証明書:インターネット等で電子文書を作成・送信する際に利用する証明書(e-Tax等の電子申請など)。作成・送信した電子文書が、利用者が作成した真正なものであり、利用者が送信したものであることを証明することができる。
※5 基本4情報:マイナンバーカードに含まれる、氏名・生年月日・性別・住所の四つの情報。

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