3DEXPERIENCity®は、都市の情報を詳細に登録・シミュレーションができる
実際にはどういうことができるのだろう。この3DEXPERIENCity®は、3次元モデリングができ、かつオブジェクト指向なので、「フロア」や「部屋」といったオブジェクトに情報を持たせることができる。
また、フィールドの情報とも連携できるので、外部の「地図データ」や「建築データ」「気象」「人口」「産業」「交通」「環境」といったデータとも掛け合わせて、シミューレションすることもできるのだ。
詳細度レベルは、5段階となっていて、必要に応じてデータを使い分けることができるのだという。
シンガポールでは以前からBIM(ビル情報管理システム)のデータ公開が義務付けられているため、そのデータやGIS, 3Dデータなどをインプットとし、さらに、統計データや社会インフラシステム、IoTで取得するデータを掛け合わせることで、今まで見えなかった事実を見つけることができるというのだ。
バーチャルシンガポールの活用例
バーチャルシンガポールは、3次元モデルをつかって、ソーラーパネルをどこに、どう設置するかという検討に利用しているのだという。
建物の状態、どういう人が住んでいるか、何人住んでいるか、などのデータがマッピングされている。その結果、その中で、電力利用のシミューレションをかけることができるのだ。
ほかにも、歩道橋と公園のリノベーションの事例が紹介された。
車椅子で建物から、公園にいくための経路を検討したものなのだが、現在の歩道橋がバリアフリーではないので、車椅子対応した歩道橋をかけてみると、道はどうなるかがシミュレーションできるのだ。
バーチャル空間上で、工事をすると、公園の出口をふさいでしまうことがシミュレーション上わかるのだが、これまでは、実際に現場にいってみてはじめてそれが発覚する場合が多かった。
しかし、シミューレションを都市管理の管轄部門横断的にやることで、歩道橋からすぐに公園に入る設計を行うことができるのだ。
こういった、利用シーンは様々な分野で実現されている。
交通
有機的に交通を連携することで、信号の制御や、自動運転のシミュレーションなどでも活用することができる。
実際に自動運転の会社(AKKA Technology)などと提携した取り組みでは、どこから配車されて、使われていないときはどこに駐車するなど、他の交通網との連携も視野に入っているのだという。
フランス、レンヌ市の都市計画でも、自動運転車両が導入された時のシミュレーションが行われており、仮想空間内でサービスを提供した際に、どういったときに不便を感じるかなども、事前にシミュレーションすることができているということだ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。