パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社は、空を望む天窓を人工的に再現する空間演出システム「天窓照明」を開発し、数量・期間限定でパナソニックLSエンジニアリング株式会社にて、工事を含めて受注を開始する。主に、外光が入らない閉鎖的な空間で、人が集まるパブリック空間を中心に提案されるという。
同システムは、天井裏に埋め込むための本体と、バックヤードに設置するメディアプレーヤーなどの映像再生機で構成されており、本体はアクリル製の拡散板とLED光源を内蔵、発光部の開口サイズは640×640mmである。天井に設置した天窓のような形状の本体に、青空と形を変えながら流れる雲や、夕焼け雲、おぼろ月などのさまざまな空の様子を表現することができる。
本体を1台で使用するほか、複数台設置して映像を連動させることも可能で、表面的な空の映像ではなく、実際の窓のような奥行き感や雲の立体感、窓から入る外光のような明るさ感を表現できるという。さらに「空」以外にも「水面」「竹林」「サメ」「川」などオプションの映像コンテンツ(別売)や、要望に応じて映像コンテンツ制作にも対応することで演出の幅を広げることができる。
同システムは、天窓照明として使用できるほか、スポットライト型プロジェクター「Space Player」や、スマートフォンなどとBluetooth接続して音の再生ができるスピーカー付ダウンライトなどと組み合わせて、映像や音など空間演出商材を含めたシステムソリューション商品としてパナソニックLSエンジニアリングが利用者に提供する。また、コンテンツの販売やメンテナンスなども継続することで、利用者と繋がり続けるエンジニアリング事業として対応する。
https://www.youtube.com/watch?v=dl_8WkJTL8I
なお、パナソニック ライフソリューションズは同製品のプロトタイプを使用して、京都府立大学と心理的価値に関する共同研究を実施した。同研究は、開口部が800×800mm同一サイズの同製品プロトタイプの天窓照明、一般照明、実窓(自然風景が見える一般的な窓)を使用し、社外モニターの20代の男女18名が被験者となり、入室1分後に空間の印象を回答して評価を決定する。
その結果、天窓照明は、窓の無い場所であっても、外とのつながりを感じられる開放的な空間を提供できるとの結果が得られた。また、外の自然の移ろいを再現することで、空間の単調さを払拭すると共に、活気とリラックス感を兼ね備えた環境を提供できることも実証された。
今後、同製品を限定50台、首都圏と関西地区を中心に、1年間限定で受注対応する方針である(納品は2年間限定)。また、実際の窓が無い空間に開放感を提供し空間の質を向上できる場所への同製品の限定販売および、各種研究機関などと連携し、さらなるユーザー調査や心理的価値の検証などを実施することで、より実用的な製品の開発を目指す。
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