東芝テックとNTT Com、画像認識型無人レジシステムの学習自動化に向けた実証実験を開始

日本社会における労働力人口の減少は、流通小売業においても大きな課題である。レジ業務を省人化する無人レジシステムの取り組みは、この課題を解決する方法の一つと言える。

無人レジでは、各種センサー、カメラ(画像認識AI)で商品を自動認識することで、消費者がストレスフリーな購買を体験できる。しかし一般に、商品の自動認識を画像認識AIで行うためには、予め当該商品をさまざま条件で大量に撮影し、それらの画像をAIに学習させることが必要だ。無人レジの実現にあたっては、その稼働が最大の課題となる。

そこで、東芝テック株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、NTTグループのAI技術「corevo」の一つである「アングルフリー物体検索技術(※)」を活用した、画像認識型無人レジシステムの運用自動化に向けた実証実験を、東芝テックの関係会社であるティー・ティー・ビジネスサービス株式会社が運営する「オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店」にて、東芝テックグループ従業員を対象に2020年1月まで実施する。

同実証実験では、日本電信電話株式会社が研究開発したアングルフリー物体検索技術を用いることで、少数の画像で学習を行う。これにより、商品入れ替えの際などに予め行っておく画像認識の作業をどの程度削減できるかを検証する。さらに、無人レジの運用開始後に販売された新商品などのAIが認識できない商品については、消費者が無人レジを利用する過程を活用し、認識に必要な画像を自動的に取得して学習できるかを検証する。実験の手順は以下の通り。

  1. カメラ付きの専用台に、複数の商品を並べ、画像認識により一括で商品を特定する。
  2. 画像情報が無く商品が認識できなかった場合は、利用者がかわりに手動でバーコードをスキャンする。これにより、画像情報と商品情報をひもづけることができる。そのため、次にその商品が購入されたときには画像で商品が認識できるようになる。

  3. 画像・商品マスターから特定した商品のJANコードを抽出し、二次元コード化する。
  4. スマートフォンで二次元コードを読み取り、一括でレジ登録を行う。
  5. 従来のセルフレジの運用である、商品一つ一つの「バーコードを探す」「バーコードをスキャンする」といった操作をなくす。

  6. 会計は予め紐づけられた従業員番号に従い、給与引き去り決済を行う。

なお、同実証実験において、東芝テックは新形態POSシステムの受容性・業務効率性・事業性の検証、検証環境の構築を担い、NTT Comは画像認識機能、追加登録機能の提供、サービスモデル検討、ネットワーク環境の提供を行う。

※ 立体物を、アングル(撮影角度)によらず認識できる技術。認識対象が折れ曲がっていたり、歪んでいても認識することが可能。

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