新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」への移行が求められる中、オフィスビルにおいては、エントランスホールやエレベーターなど施設内での「ソーシャルディスタンスの確保」が喫緊の課題となっている。
三菱電機株式会社は、本社が入居する「東京ビルディング」において、三菱電機製ビル設備製品を活用した新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取り組みを開始した。
同取り組みでは、エレベーター行先予報システム「ELE-NAVI」を活用したタッチレスでのエレベーター乗車に加え、エレベーター乗車率の上限変更によるかご内の3密対策や、アニメーションライティング誘導システム「てらすガイド」によるソーシャルディスタンス確保に向けた注意喚起等を行い、施設内の安心・安全な移動を支援する。
ELE-NAVIは、エレベーターの乗車前に行き先階を登録することにより、同一行先階の利用者を同じエレベーターへ案内し、複数のエレベーターの運行を最適化するシステムである。一方のてらすガイドは、床面に投影する光のアニメーションにより、施設利用者が直感的に案内や注意喚起を理解できるアニメーションライティング誘導システムである。
同取り組みの詳しい内容は以下の通り。
ELE-NAVIを活用し、エレベーター利用時の3密防止・タッチレスを実現
- エレベーター乗車率制限による密接回避
- タッチレス、ハンズフリーでの入退館、エレベーター乗車
東京ビルディングのエレベーターの定員は24名で、ELE-NAVIでは通常乗車率の設定を65%(16 名ずつ)としている。今回の取り組みでは乗車率制限を34%に変更し、乗車する人数を8名までとすることで、密接を回避する。
東京ビルディングでは従来のIDカードに加えてハンズフリータグを用いた入退室認証も実施している。出退勤時、ハンズフリータグを所持している従業員は、セキュリティーゲートにカードをかざすことなくタッチレスで通行する。エレベーターに乗車する際も、セキュリティーゲートや各フロアの乗場操作盤で個人を認証し目的階を自動登録するので、タッチレス、ハンズフリーでの利用が可能だ。
てらすガイドに新たなサインを搭載、人と人との距離確保に向けた誘導を支援
通勤時の動線上で最も混雑する1階のセキュリティーゲート前と、ゲートを通過した先にあるエレベーターホール入口にてらすガイドを設置した。セキュリティーゲート前では、ゲート入場前に「エレベーターホールの混雑状況の確認を促すサイン」を投影することで、ゲートとエレベーターホール間の密集・密接を回避する。
エレベーターホール入口では、「密接した人と人が離れる動きを表現したサイン」や「エレベーターへの分散乗車を促すサイン」を投影することで、エレベーターホールやエレベーター内での密接を回避する。また、通勤時間帯には、三菱電機の受付上部に設置した大型映像装置にもてらすガイドで投影する新規サインを映し出し、さらなる注意喚起を促す。
同取り組みを通じて、ELE-NAVIやてらすガイドを活用した、オフィスビルにおける新たなソーシャルディスタンス確保や3密回避に向けた運用方法を検証し、顧客に提案していく。なお、てらすガイドについては、アフターコロナを意識した新規サインのラインアップを充実化させ、三菱電機オフィシャルウェブサイト上で無償公開されている。
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