凸版印刷株式会社では、2018年11月より多言語AI案内サイネージ「BotFriends Vision」を提供している。
BotFriends Visionによる駅・公共施設や商業施設における無人AI案内では、AIへあらかじめ学習させていない内容についての案内や、内容が多岐にわたる複雑な案内などではすべてをAIで回答することができず、利用者は窓口などで説明員に直接訪ねる手間がかかっていた。また、コロナ禍で公共・商業施設などの接客シーンでは非接触・非対面での案内接客業務の実現が求められている。
そしてこのほど、凸版印刷はBotFriends Visionによる無人AI案内と有人での遠隔接客を組み合わせたハイブリッド接客が可能な「BotFriends Vision+」を提供開始した。
BotFriends Vision+では、これまで提供してきたBotFriends Visionによる「多言語音声での案内」「バリアフリーに配慮した筐体設計」に加えて、ネットワークを介した案内係による遠隔接客案内が可能となった。詳しい特長は以下の通り。
- AIと人によるハイブリッド接客案内を実現
- バリアフリーに配慮した筐体設計を実現
- 利用シーンに合わせた複数の遠隔接客パターンを実現
利用者から頻繁に尋ねられる質問は多言語AIチャットボットによる自動応答で対応する。またAIでは回答が難しい複数の話題に関する質問やイベント開催などと連動させた案内については遠隔地からネットワークを介して有人による案内を行う。これにより、AIによる無人接客と遠隔からの有人接客を組み合わせたハイブリッド接客案内が可能だ。
公共・商業施設への導入設置を考慮し、車いすでも利用しやすい高さ・画面幅に筐体を設計するなどバリアフリーに配慮した筐体を実現した。これにより、公共・商業施設利用者の利便性向上に貢献する。
イベントやキャンペーンなどでは、凸版印刷オリジナルバーチャルキャラクター「小石川 彩」を遠隔操作して利用者と対話をすることができる。
また、案内係スタッフの映像と音声及び、地図などの画像をBotFriends Vision+に配信し、同時に案内係スタッフへは、利用者の映像と音声を配信することで、遠隔地からの接客案内が可能だ。また、案内係スタッフはAIによる回答アシスト機能を使用でき、利用者への案内業務をサポートする。BotFriends Vision+筐体にIP電話機能を内蔵することにより、案内係の持つスマートフォンや、コールセンターへ直接入電することができる。

今回、JR東日本が実施する「モビリティ変革コンソーシアム」の取り組みにてJR山手線の高輪ゲートウェイ駅に導入され、有人改札にて遠隔で案内する実証実験を12月中旬に実施予定だという。なお、同実証実験では高輪ゲートウェイ駅有人改札に設置する2台のBotFriends Vision+に加え、新宿駅に5台、高輪ゲートウェイ駅に3台のBotFriends Visionを設置し、駅構内におけるAIを活用した案内の実地検証を行う。
凸版印刷は今後、BotFriends Vision+を自治体をはじめ鉄道、流通、小売、ホテルなどのサービス・インフラ業界に向けて拡販を進め、2025年度までに遠隔体験ソリューションやインバウンド・先端表現ソリューションなど関連受注含め50億円の売り上げを目指す。
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