株式会社ウェザーニューズは、1990年代よりコンビニエンスストアに対して「流通気象サービス」を開始し、現在は全国5万7000店のコンビニやスーパーに気象情報を提供している。オンプレミスの環境で専用にカスタマイズした気象情報を提供することで、商品の発注業務や販売計画を支援してきた。
このほど、ウェザーニューズはWxTechサービスにおいて、製造業、小売業向けに商品の需要予測やデータ分析を支援する気象データセットの販売を開始した。併せて、2021年12月末までの期間限定で、1kmメッシュの「実況解析データ」をトライアルとして6カ月分無償で提供する。
同サービスは、商品の需要予測やデータ分析など、店舗運営に必要な気象データを詰め込んだ製造業・小売業向けのデータ提供サービスである。天気や気温、降水量など商品の売れ行きに影響がある気象要素のデータや実況解析データを1kmメッシュで1時間ごとや日ごとに提供するため、店舗ごとのピンポイントな分析や需要予測モデルを構築することができる。
気象の変化は商品の売れ行きに大きく影響する。例えば、ドリンクでは気温20度の涼しい日は濃厚な果汁ジュースが好まれるが、気温が30度ではスポーツドリンク、それ以上では水が売れ、暑いほどさっぱりとした飲料に売れ行きが変化する。そのため、発注業務で72時間先や10日間先までの気象予測のデータを活用することで、気象による売れ行きの変化も加味した商品発注が可能になる。
また、観測データが周辺にない店舗の分析には、最寄りのアメダスや独自の観測データをもとに解析した実況解析が有効だ。営業やマーケティングでは、実況解析をもとに売上や来客数との分析を行うことで、販売促進につながる。
さらに、クラウドに保存された気象データをAPIなどで取得できるため、データの閲覧や保存だけでなく、商品の需要予測や来店客予測などの既存システムと容易に連携させることができる。
なお、週間予報のAPI提供は、降水確率の販売が一般的だが、商品需要や来店客の予測モデル構築には確率の数字は使えないことから、降水確率ではなく10日先までの日ごとの降水量データをWxTechのラインナップに追加している。今後は、体感や花粉予報など小売業特有のニーズのある気象データをラインナップに順次追加するとのこと。
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