近年、コンビニエンスストア業界では人手不足の深刻化に加え、働き方改革の一環や、新型コロナウイルスの感染防止策としてテレワークが普及していることから、オフィスなどのマイクロマーケットにおける売店などの維持も難しくなっている。
こうした背景により、国内外ではさまざまな無人店舗の取り組みも進んでいるが、初期投資が高額になるなど、実際に導入するには課題も多い。
そうした中、ヤマハ株式会社と株式会社ミニストップは、ヤマハが開発した「SoundUD」の技術を活用した無人ミニコンビニの実証実験として、実証店舗を2022年7月4日にヤマハ東京事業所内にオープンしたことを発表した。
今回の取り組みでは、ミニストップが展開する初期費用0円のオフィスコンビニ「ミニストップポケット」に、音のある空間とICT機器をつなぐプラットフォームおよびテクノロジーである「SoundUD」の技術を活用した機能を組み合わせた無人ミニコンビニの店舗形態を提案する。
導入例には、オフィス、工場、病院、駅、学校、ホテル、休憩所など、マイクロマーケットと呼ばれる施設内の空き部屋や空きスペースに設置したパーテーション内が想定されている。
実証店舗の主な機能
ミニストップポケットの従来機能
キャッシュレス決済
決済はマイクロマーケット専用に開発されたセルフレジによるキャッシュレスのみで、交通系、WAON、楽天Edyといった電子マネー、およびQRコード決済に対応している。

「SoundUD」連携による機能
簡単入店機能(専用アプリ不要)
施錠可能な場所に導入されることを念頭に置いて、スマートフォンをかざすことで入店できる機能を付加。新たに開発された「SoundUDトリガーボード」にスマートフォンをかざすと、開錠画面が立ち上がり、SoundUDの音響通信をトリガーに施錠を解除して入店することができる。専用アプリや事前登録は不要。(初回入店時のみ、画面上で顧客属性を入力)。

店内BGMおよびアナウンス機能
店内BGMやアナウンスは、専用アプリによるシステムで、遠隔地からタブレットなどを使ってコントロール可能。BGMには、ヤマハのコンサートグランドピアノ「CFX」やベーゼンドルファーのコンサートグランドピアノ「インペリアル」などの音色を楽しめる録り下ろしの楽曲が用意されている。また、来店者は対応アプリを活用することで、店内で放送中のBGMを1日1曲まで無償でダウンロードすることができる。

来店特典付与機能
対応アプリを活用することで、店内で流れるBGMに反応した1日1回来店スタンプの付与や、抽選に参加できるなどの特典を付与することができる。この機能は、来店特典を付与する期間や時間帯を絞ることで、特定の期間を対象とした来店促進や、店内の混雑時間の分散にも活用することが可能。

無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。