フロン排出抑制法は、機器の冷媒として使用されているフロンガスの漏えいを未然に防ぐため、3か月に1回以上の簡易点検を義務付けている。そのため、管理者(利用者や設備管理担当者など)は目視による機器の点検を行い、点検の記録および保存をする必要がある。違反した場合には、管理者に罰則が科せられる。
日立グローバルライフソリューションズ株式会社(以下、日立GLS)は、同社が提供する空調IoTソリューション「exiida遠隔監視・予兆診断」が、フロン排出抑制法で定められている業務用冷凍・空調機器の簡易点検の代替とすることが可能になったと発表した。
exiida遠隔監視・予兆診断は、機器から収集した運転データ(冷媒圧力・温度・電流値など)を蓄積し、AIを活用して診断を行う常時監視システムである。故障につながる変化を検出するなど、機器の安定稼働を支援する。
今回、2022年8月に施行された同法律の改正によって、機器の常時監視システムがこれまでの目視による簡易点検の代替として位置づけられることになった。
フロン排出抑制法によって定められている簡易点検の内容は以下の通り。
- 目視による点検(振動・異音・損傷・腐食・油にじみなど)
- 冷媒漏えいが確認された場合、やむを得ない場合を除き、可能な限り速やかに漏えい箇所の特定を行い、必要な措置を実施すること
- 点検・修理、冷媒の充填・回収等の履歴を記録・保存すること
exiida遠隔監視・予兆診断によって簡易点検の代替が可能となる対象製品は、2010年度以降に販売した日立の店舗・オフィス用パッケージエアコン、ビル用マルチエアコン、設備用パッケージエアコン、チラーユニット、コンデンシングユニットである。
また、exiida遠隔監視・予兆診断のオプションメニューとして、同法律において一定規模以上の機器に求められる有資格者による定期点検業務を日立GLSが代行して対応する「フロン排出抑制法定期点検サービス」を提供している。
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