日立、公共・民間における複数の窓口サービスを生活圏の身近な場所で利用できる「汎用デジタル窓口」を販売開始

少子高齢化による働き手不足などの影響で、自治体や民間の窓口・有人店舗の集約化が進むとともに対面でのサービス提供が縮小し、デジタル化の波が広がっている。一方で、依然として、年齢や地域などによる「デジタルデバイド(情報格差)」、オンライン申請などの利用の伸び悩み、窓口対応業務のひっ迫などの解消に向けて、誰もが簡単に利用できるデジタルサービスの提供が求められている。

株式会社日立製作所(以下、日立)は、リモートでの公共・民間サービスの各種相談・手続を可能にするデジタル窓口の開発を進め、2021年12月から2022年3月までの福岡市でのPoCをはじめ、複数の自治体にて試行を重ねてきた。

このほど日立は、複数事業者が提供する相談窓口・各種手続サービスをワンストップで利用可能にする「汎用デジタル窓口」を開発し、販売を開始した。

同サービスでは、地域の出張所や公民館、銀行や駅、移動車両など生活圏の身近な場所に利用ブースを設置し、遠隔地からオンラインで、行政窓口だけでなく銀行や交通事業者、医療機関、旅行代理店など、さまざまな窓口サービスを横断的に利用可能な各種機能を提供する。これにより、役所から離れたエリアの住民や移動制約者の負荷低減につながる。

また、大画面のディスプレイや手書きタブレットによる簡単なタッチ操作などUI/UXに配慮した画面設計により、デジタルデバイスに不慣れな人でもスムーズな操作が可能だという。ビデオ通話によりお互いの表情を確認し会話を重視した対応のほか、書画カメラで利用者の机上書類をリアルタイムに共有できるなど、オンラインでも対面さながらの各種相談や手続を支援する。翻訳サービス事業者も交えた3者間通話など、外国籍の人へのサポート機能も備えている。
日立、公共・民間における複数の窓口サービスを生活圏の身近な場所で利用できる「汎用デジタル窓口」を販売開始
オンライン上での本人確認の際は「日立公的個人認証利用サービス」を活用し、マイナンバーカードを用いて電子証明書の有効性を確認できるほか、自治体の行政手続や窓口対応業務の効率化、電子申請の利用率向上、ペーパーレス化を促進する各種機能を提供する。

マイナンバーカードから本人確認に必要となる基本4情報(氏名、住所、性別および生年月日)を読み取り、自治体職員側の画面に自動的に表示し、利用者による入力や自治体職員による聞き取りが不要となる。電子申請にあたっては、利用者がタブレット上で必要情報を手書き入力できる機能を提供することで、窓口対応者の入力作業を効率化する。
日立、公共・民間における複数の窓口サービスを生活圏の身近な場所で利用できる「汎用デジタル窓口」を販売開始
さらに、自治体情報システム強靭性向上モデル(※1)に配慮した「地域IoT連携クラウドサービス(※2)」を活用し、自治体内のLGWAN(※3)系業務システムと同サービスを接続することにより、職員はセキュアな環境下で「予約情報」や「相談記録」といった住民に関する情報の登録・検索を行うことができる。

同サービスにより、自前で拠点を持たずに、利用者とのチャネル維持・拡大やサービス提供が可能となるため、窓口・店舗数の適正化や固定費削減に寄与する。また、遠隔での対応が可能なため、窓口対応者の多様な働き方も支援する。

なお、今回の販売開始にあわせて、日立と株式会社日立システムズが連携し、同サービス搭載のMONET Technologies株式会社が提供するマルチタスク車両を用いた移動型窓口サービスの実証を、2022年10月17日から21日まで茨城県笠間市で行う。

具体的には、市役所までの距離や時間の都合で窓口への来訪が難しい方などを想定し、自宅や福祉施設といった市内各所へ出向き、介護・補助金・マイナンバーカードに関する各種申請手続の支援や相談など「動く市役所」の実現に向けたさまざまな試行を行い、住民や自治体職員双方の利便性を検証する。同実証で得た知見をもとにシミュレーションを行い、移動型窓口サービスの効果的な活用方法なども検討していく予定だ。
日立、公共・民間における複数の窓口サービスを生活圏の身近な場所で利用できる「汎用デジタル窓口」を販売開始

日立、公共・民間における複数の窓口サービスを生活圏の身近な場所で利用できる「汎用デジタル窓口」を販売開始

※1 自治体情報システム強靭性向上モデル:総務省から公表された「新たな自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に向けて」に記された自治体情報システムに対するセキュリティモデル。
※2 地域IoT連携クラウドサービス:LGWAN接続系の自治体内の業務システム環境から各種クラウドサービスの利用を可能にするサービス。
※3 LGWAN(Local Government WAN/総合行政ネットワーク):自治体を相互に接続する行政専用のネットワーク。

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