ダッソー・システムズ株式会社とフランスの公的機関SOLIDEOは、1万4千人の収容を見込むパリ地域の宿泊施設の快適性を高めるために、連携することを発表した。
近年、フランスでは記録的な猛暑に見舞われたことから、ダッソー・システムズのシミュレーション・ソフトウェアを活用して宿泊施設を分析し、2024年に熱波が襲った場合でも施設内の快適性を高められるよう、SOLIDEOにガイダンスを提供した。
現在建設中で、2023年12月31日に引き渡しが予定されている対象の宿泊施設は、エネルギーの循環的な利用を優先する設計になっており、施設内の広大な緑地と地熱冷却システムを活用して、屋内の温度を調整することが可能だ。
SOLIDEOは、極端な気温下でも適切に建設工事が進められることを確認したうえで、アスリートを中心とする施設利用者をサポートする上で必要となる新たなエネルギーソリューションを特定し導入する一方で、環境への影響も最小限に抑えられる施設の設立を検討していた。
そこでダッソー・システムズは、SOLIDEOや建設業者から提供されたデータを基に、SIMULIAソフトウェアを活用して、建設中のある一つの建物の上階を再現した3Dモデルを作成し、断熱材、換気装置、日除け、床冷却エコシステムなどのパラメータでシミュレーションを行い、結果として生じる日中を通した屋内の温度を計算した。

このシミュレーションを活用して、SOLIDEOは各パラメータがどのように機能するのか検証し、建設中の建物に構造的ソリューションを追加することなく、いつでも施設内の快適性を最適化することを確認した。
これにより、設置場所と時間帯に基づく日除けの効果と、床冷却システムの有効性の両方を実証することができた。
SOLIDEOの戦略・イノベーション担当ディレクターであるアントワーヌ・デュ・スーイッシュ氏は「ダッソー・システムズのシミュレーションにより、2024年の施設完成に向けて順調に準備を進められています。また今後、住居として当施設を再利用する際にも、同様の環境を提供できることを確認できました。」と述べている。
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