—分析の効果を教えてください。
例えばリテールネクストは、POSデータと店舗データを自動で紐づけるのですが、ある店舗では、昼と夕方にコンバージョン下がっている時間帯がありました。その時間帯にシフトデータを当ててみると、案の定スタッフの食事休憩のためにシフトが薄くなっていることがわかりました。せっかく高い入店数を稼ぎながら、得られたであろう売上をロスしていたのです。でも、それは入店数、コンバージョン率、スタッフシフトを同時に時間別に表示することができなければ気づきにくい問題点でした。
別の店舗では、男性用アパレル店舗の性格上、ポスターやサイネージを男性向けにしていましたが、属性分析をして見たところ、入店客もレジへ向かうお客様も女性の割合が多いことに気づきました。そこで、ポスターやサイネージを女性向けにしたり商品そのものよりはライフスタイルを意識していただくようなトーンに変更し、入店率とコンバージョンをアップされています。
そういった取り組みで、今まで見えていなかった店舗状況を見ることにより、通常は1年で6%程度、2年間で10%程度の店舗売上アップがあります。
-御社の製品はステレオカメラだと思いますが、他にも例えば、人感センサーや、そういうものもつけているのですか。
そういったハードウエアからのデータにも対応しています。
-でも、カメラが置けるなら、カメラの方がいいですよね。
それは精度の問題ですね。精度が高ければ、カメラではなくても良いと思います。リテールネクストとしては、どちらでも連携はできます。
-そこはクラウドだから、データさえ吸い上げてしまえばということでしょうか。
リテールネクストをクラウドサービス化する以前から、様々なハードウエアとの連携はしていました。
-クラウド化されたのは、結構最近の話なのですか。それまではオンプレミスだったのでしょうか。
完全にクラウド移行したのはここ数年ですね。
-このソリューションが分析の機能など全て作られているのであれば、どんどん新しいテンプレートも追加しやすくなりそうですね。実際、効果は出るのでしょうか。
出ます。店舗分析の入り口はコンバージョン率です。それがわからないと、その店舗、SVや店長がうまくやっているのかどうか分かりにくいと思います。店舗成績を評価するにはコンバージョン率が重要ですので、そこから始めます。
-そこの初めのインとアウトを正確に取っているというところが全ての始まりなのですよね。
全ての始まりです。コンバージョン率を正しく把握した上で、入店率・店内滞在時間・平均単価などを計測して、売上アップのためのアクションを策定します。
-Aurora センサーについてですが、ステレオカメラを作っている会社というのはあまりなくて、普通のインターネットカメラでやろうとしている人たちが多いのです。そうするとやっぱり全部は置けません。様々なところにカメラがあるのは監視されている感じもして、良くないっていう話もあります。結局、監視カメラの延長上なのです。そうすると、デットスペースを見たいというけど、結局、デットスペースにカメラなかったりします。そんな問題も起きているみたいなので、こういうものが実際にあるというのは、大きな違いになるのかなと思いますね。
そうですね。それと小売店舗は、見栄えが重要なのです。Auroraセンサーは、ロットさえ揃えば色を選択していただくこともできますし、もちろんお客様の方で塗装していただいても大丈夫ですが、そういうところも考えています。
-電源は何で取っているのですか。
POE(Power over Ethernet)です。ですので、店舗に1か所だけ電源を用意していただければ、そこからイーサーネットで店舗内全てのAuroraセンサーに電源供給できます。店舗にサーバーが不要なこと、カメラに電源用意が不要なことは、様々な店舗で喜ばれます。
-小売業向けのIoTは、言われているほどやられていません。御社のようなサービスになってくると、全然違ってきますね。
米国で開催している当社のユーザーイベントには、毎年大勢の小売ブランド経営者の方々がいらっしゃいます。みなさん、小売業向けIoTであるリテールネクストを日々の業務プロセスに組み入れて、物理店舗の売り上げアップとコスト削減を実践されていらっしゃる方々です。米国の小売業経営者でリテールネクストを知らない方はいらっしゃらないほど浸透しているのですが、日本でも同じ状況になると考えております。

-楽しみですね。本日はありがとうございました。
【関連リンク】
リテールネクスト
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。