Sound UD推進コンソーシアムは、2019年6月14日APPS JAPAN 2019の基調講演にて、「音のある空間をICT化する”SoundUD”の未来を語る、「空港、鉄道、バス、商業施設から観光地まで。音のプラットフォームと皆さんのアプリをつなげませんか?」~MaaS、広告、音声コンテンツ、来店促進、インバウンドでの活用と展望~」と題した講演を行なった。
まず、ヤマハ クラウドビジネス推進部 SoundUDグループ グループリーダー 兼 SoundUD推進コンソーシアム 事務局長 瀬戸 優樹氏より、Sound UDの概要と、現在アプリとして配信されている「おもてなしガイド」について説明された。
Sound UDとは
Sound UDとは音波を使ったデータ通信を行う取り組みだ。SDKをつかって音波による指示(トリガー)を生成し、Sound UDに対応したスピーカーから音波を出す。生活者のスマートフォンに専用アプリをダウンロードしていればそれを使って、この音波を拾うことができる。音波を拾ったアプリは、その内容に従って情報を表示したり、他のクラウドサービスと連携したりすることができるのだ。

現在ヤマハは「おもてなしガイド」というアプリを提供しており、Sound UD対応スピーカーやサービスを導入した施設では、アプリ通して訪日外国人に翻訳した音声情報を伝えたり、耳が聴こえづらい方に情報を画面に表示することによって伝えることができる。
「SoundUD音声トリガー」を「おもてなしガイド」以外の外部サービスや機能と連携させるためのSDKを活用することで、音と他の様々なクラウドサービスや機能をつないで、新たな販促手段として役立てることもできるとした。
今回4つの企業がSound UDを取り入れた事例が紹介されたが、その中で、ジョルダン 特命プロジェクト 部長 太田 直之氏が、MaaSにSound UDを取り入れる事例をを紹介する。
バスのチケットレス乗車にSound UDを取り入れる

ジョルダン、株式会社みちのりホールディングス、日立電鉄交通サービス、国立研究開発法人 産業技術総合研究所は、茨城県日立市にて10月19日から一週間程度、産業技術総合研究所が経済産業省、国土交通省から受託実施するラストマイル自動走行の実証に参加し、将来の自動運転バスサービスの提供を想定した一般市民向けの実証実験の実施を行なった。
この実証では将来のバスの自動運転化を見据え、ルート検索、チケット購入、タッチレス乗車など、サービス体験の変化を実際に利用者に感じてもらうことで、サービス提供における課題抽出と改善策の検討に役立てるのだという。
このバスのタッチレス乗車に、ヤマハ株式会社が開発し、Sound UD推進コンソーシアムが提供する技術を、「チケット認証」に活用したということだ。
バス車内に設置したスピーカーから、認証用の「音声トリガー(音波)」を再生し、手元のスマートフォンアプリで音を拾うことで乗車確認を行うことができる。
下車時には音を拾わなくなることで下車を判断することができるのだ。
ビーコンやWi-fiの場合、社外に電波が漏れてしまう可能性があり実用上の課題となるが、音波であれば車内空間のみに使用できる。
今後、音波をトリガーとした聴覚障害者なども利用可能な文字での緊急通知や、多言語対応アナウンスといった利用シーンにも対応したいと述べた。
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