広島電鉄株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は、移動を種別や運営主体を越えて一連のサービスとしてシームレスにつなぐMaaSの実現に向け、2020年3月よりデジタルチケットサービス「MOBIRY」を提供している。MOBIRYは、観光客の利便性向上や地域内の回遊性を高めることを目的に、これまで窓口で購入していた周遊乗車券等をスマートフォンから購入・利用できるようにしたものである。
このほど両社は、MOBIRYに経路検索機能やシェアサイクル等の交通モードとの連携機能等を2021年2月より追加することを発表した。今回拡充する機能の内容は以下の通り。
- 経路検索機能
- シェアサイクル1日パス
- 周遊チケットにおける利用データ記録・連携機能
- QRコード読取による特典発券サービス
- 5か国語対応
MOBIRYのトップ画面に「経路検索」ボタンを設置する。複合経路検索機能を実装し、電車やバスだけでなく船舶やシェアサイクル等も含めた結果が表示される。また、経路検索結果から関連するチケットを購入することができる。
広島市シェアサイクル「ぴーすくる」と連携し、MOBIRY上でシェアサイクル1日パスが購入可能となる。ぴーすくるを利用することで、電動アシスト自転車に乗って広島の街を巡ることができる。チケット価格は大人小児共通1,100円(税込)となっている。
利用方法は、まずMOBIRYで予約する自転車のポート及び利用人数を選択して購入決済を行うと、自転車の開錠パスコードが表示される。予約した自転車の操作パネルで開錠パスコードを入力すると、鍵が自動で開き使用可能となる。パスの有効期限内であれば、エリア内の好きなポートで何度でも自転車の返却・利用ができる。
複数の公共交通機関および観光・商業施設等を利用の際に、それぞれの場所でQRコードを読み取ることで、利用データを記録・連携する機能を実装する。また、このデータをもとに人の流れを分析することにより、さらに便利でお得な周遊チケットの発売を目指すとのことだ。
観光・商業施設等で提示されたQRコードをスマートフォンで読み取ることにより、MOBIRY上で観光・商業施設等の割引チケット等、様々な特典を取得できる機能を実装する。同機能を利用することにより、さらにお得な周遊の実現を目指す。
MOBIRYは2020年3月のサービス導入時から英語表示に対応していたが、今回、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語を加えた5か国語表記機能を実装する。日本国内の利用者だけでなく、外国人観光客にも利用できるプラットフォームを目指す。
なお、同取り組みは、国土交通省の地域の課題解決に資するMaaSのモデル構築を図る「令和2年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定されている。
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