オンラインでの消費活動の普及や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って生活様式が大きく変化する中、新たな都市づくりに向けて、スマートシティに関する取り組みが加速している。スマートシティの実現に当たっては、データの可視化や分析だけでなく、データによる予測を基に、人々に役立つ情報と価値を提供して人々の行動変容を促し、地域全体の最適化と活性化に貢献することが重要である。
国立大学法人東京大学、ソフトバンク株式会社、小田急電鉄株式会社および株式会社グリッドの4者は、東京大学とソフトバンクが行うBeyond AI 研究推進機構の研究テーマの一つとして、小田急線海老名駅と周辺施設を対象に、来訪者の行動変容を促す人流誘導アルゴリズムを実装する「次世代AI都市シミュレーター」の研究開発において連携し、研究を開始する。
同研究では、仮想空間に現実世界を再現するデジタルツインを活用して、デジタル空間上に小田急線海老名駅と周辺エリアを再現し、人流・交通・購買・来訪者の属性などのデータを使って、人々の流れや行動を可視化・予測するシミュレーションを行う。
これに基づき、実際に、来訪者のスマートフォンアプリへの各種情報の通知やクーポンの発行、施設内のデジタルサイネージでの情報表示などを実施することで、人々の行動変容を促し、混雑緩和と購買促進の両立、交通の最適化、災害時の避難誘導などに関わる技術を開発し、社会実装を目指す。
同研究における各者の役割は以下の通り。
- 東京大学
- ソフトバンク
- 小田急電鉄
- グリッド
人流誘導アルゴリズムの開発を行うとともに、東京大学Beyond AI研究推進機構 田中 謙司准教授および東京大学大学院工学系研究科 坂田 一郎教授による人流誘導の研究の知見を提供する。
次世代AI都市シミュレーター全体の設計・開発。スマートシティ開発の実績など、最先端テクノロジーや事業化に関する知見・ノウハウを提供する。
MaaSの先駆的取り組みや、職、住、商、学、遊の生活シーンなどに貢献する沿線まちづくりを推進する中で得た知見を提供する。
社会インフラを中心としたデジタルツインの実現、最適化の実績による知見を生かし、研究開発環境を構築する。
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