水不足の問題は世界的に深刻な状況に直面しており、SDGs(持続可能な開発目標)の一つとして「安全な水とトイレを世界中に(目標6)」が掲げられている。また、国内における水道事業は、水道インフラの老朽化に伴う維持コストの増大や、耐震化への対応、水処理施設における技術者不足などの他、特に過疎地域においては人口減少による収入減などの課題を抱えている。
AIやIoTを活用した水の再生処理技術を持つWOTA株式会社は、濁度やpH(水素イオン指数)などのさまざまな水質項目を計測する水処理IoTセンサーと、センサーから取得したデータに応じて水の再生処理プロセスを自律的に制御するAIのアルゴリズムにより、水道がない場所でも安全な水を繰り返し供給できる技術を保有している。
全国のWOTAの製品に設置されたセンサーから取得したデータがWOTAのクラウドに学習データとして蓄積されることで、AIのアルゴリズムが常に改善・更新され、水処理のプロセスが効率化されている。
このほど、ソフトバンク株式会社とWOTAは、資本・業務提携に合意したことを発表した。
同提携に基づき、ソフトバンクとWOTAは協業して、水道管や水処理施設などの水道インフラの維持が困難な過疎地域などにおいて、水道インフラから独立した分散型の新たな水供給システムで各家庭や施設に水を供給する仕組みの構築に向けて取り組む。また、WOTAの水循環型ポータブル手洗い機「WOSH」の販売を開始した。
具体的な取り組みとしては、ソフトバンクがWOTAの販売代理店として、水道インフラへの接続が不要で電源につなぐだけで安全な水を繰り返し供給できるWOSHの取り扱いを開始し、さまざま企業や自治体にWOSHの活用を提案する。WOSHは、病院や学校、商業施設、飲食店の入り口などに手軽に設置することが可能で、新型コロナウイルス感染症の影響下における手洗いの需要の高まりに対応できるとのこと。
また、人口減少によって水道インフラの維持コストを賄うことが困難な過疎地域などにおいて、水道インフラから独立した分散型の水供給システムにより、各家庭や施設に水を供給する仕組みの構築に向けて取り組む。水道インフラの敷設が物理的に困難な島しょ部や、自前の水道管の維持に課題を抱える民間のリゾート施設などにも、この仕組みを納入することを目指す。
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