オリックス株式会社と国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)は、2019年9月よりブロックチェーン技術を活用した、電力の供給から消費に至るまでの履歴を証明するトラッキングシステムについて研究を進めている。
このほど、オリックスとオリックスグループ各社および東京大学は、トラッキングシステムとAI技術を活用して、再生可能エネルギーの地産地消取り組みに向けた共同実証実験を開始する。
同実証実験では、オリックスグループが運営する温泉旅館「会津・東山温泉 御宿 東鳳」(福島県会津若松市)において、使用電力実績の変化をAIで分析し、ホテルの稼働率や気象条件などによる電力需要を予測するモデルを構築する。また、自然条件によって出力が変動する市内の太陽光や風力発電施設における発電データなどを取得し、供給量を予測した上で、需要側と供給側との電力の直接取引およびマッチング(ひもづけ)の検証を行う。
同実証実験を通じて、東京大学のトラッキングシステム研究の知見および、オリックスグループの再生可能エネルギー発電所の管理運営ノウハウ、IoTソリューション技術、不動産施設の運営、ならびにEV車両の運用などの経営リソースを活用し、需要家のニーズに合わせた付加価値のある再生可能エネルギー電力供給サービスの実現を目指す。
今後、同時同量(※1)による産地証明や分散型ネットワークによる電力の効率利用などを可能にする、複数拠点同士の電力直接取引(P2P)(※2)に向けたプラットフォームの構築を検討するとしている。
同実証実験における各者の役割は以下の通り。
- 東京大学およびオリックス
- ユビテック
- オリックス不動産およびオリックス・ホテルマネジメント
- オリックス自動車
これまで研究してきたトラッキングシステムの提供、電力直接取引取引に向けたプラットフォーム構築の検討。
AI/データ分析を活用した需給予測モデルの構築、電力直接取引のシステムの開発および検証、外部サービスとの連携。
施設の使用電力量、ホテルの稼働率、EV充電器の使用電力量などデータの提供。
EV車両の提供、法人向けEV関連サービスの検討。
※1 同時同量:供給量と需要量を30分間の総量で常に一致させておくこと。
※2 peer-to-peer:通信同士が対等にデータの提供および要求・アクセスを行う、自律分散型のネットワークモデル。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。