東京都水道局では、2019年度より「水道スマートメータトライアルプロジェクト」を策定し、将来予測される検針員の不足への懸念や、災害時の水道復旧に要する時間短縮への課題に対する解決に取り組んでいる。
このほど株式会社日立システムズは、東京都水道局発注の機器買入れ契約により、配水小管内の水圧を遠隔で監視する水圧監視装置120台を2022年1月に納品したことを発表した。
水圧監視システムは、2019年度に東京都水道局の委託により日立システムズが開発、納品した、配水小管内の水圧を遠隔でリアルタイムに監視することができるシステムである。万一の事故や災害時に水道復旧が必要な箇所の特定が容易となり、水道運用の業務効率化や災害時などの現地対応の迅速化が可能となる。
また、監視装置設置のためのマンホール蓋の加工や交換が不要だ。既設の消火栓室内などの補修弁上に設置することで、断水なし、かつ、土工事不要で取り付けが可能となる。さらに、マルチキャリア対応セルラーLPWAの採用により、設置場所の電波状況に適した通信キャリアを選択できる。中継装置不要で、マンホール蓋を閉じた状態でも無線通信が可能だ。
そして、市販電池で3年以上稼働できるという。外部電源不要なため大掛かりな電源工事が不要となり、導入コストを抑えられるほか、入手が容易な市販電池を使用できることで、運用コストの削減にも寄与する。
東京都水道局では、この水圧監視装置を都内の消火栓120か所へ設置し、水圧監視システムの運用を順次開始するとしている。これにより、万一の事故や災害時に水道復旧が必要な箇所の特定が容易となり、水道運用の業務効率化や災害時などの現地対応の迅速化が可能となる。
今回製作した水圧監視装置の設置にあたって、2021年度に東京都水道局発注の電波調査業務委託契約により、日立システムズが設置候補となる都内の消火栓176箇所における電波調査を事前に実施している。これにより、水圧監視装置を設置する場所における、最適な通信キャリア選択をサポートした。
今後、東京都水道局に導入した監視装置を含めた水圧監視システムを「CYDEEN 水インフラ監視サービス」として提供予定としている。
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