ゼネテックとMetCom、三次元の位置情報を利用した次世代防災サービスに向けて協業

高層マンションの増加により、高層マンション居住者は今後も増え続けると見込まれている。特に大都市においては、人々が過ごす場所は、生活以外にも仕事、買い物、観光などで、高層建物内であることがますます増加している。

米国においては、2022年4月よりスマートフォンからの緊急通報(911:日本の110番・119番に相当)について、通報者の位置情報通知の三次元化(垂直情報の追加)が義務化された。緊急事態において、要救助者の位置を三次元で把握・通知することに対し、社会の意識が高まっている。日本においても、要救助者の三次元位置情報把握の必要性が高まってくると想定されている。

災害時に家族や大切な人の居場所を自動で通知する災害時位置情報共有アプリ「ココダヨ」を提供する株式会社ゼネテックと、三次元位置情報を提供するMetCom株式会社が協業し、従来の平面の位置情報に「高さ」を加えた三次元の位置情報を利用した防災・減災サービスの実現に取り組むことを発表した。

具体的な取り組みとして、まずはココダヨに、MetComの垂直測位サービス「Pinnacle」を実装し、災害警報と連動して家族やグループメンバーの今いる階数情報など「高さ」を加えた位置情報を自動通知する機能の2023年内実装を目指し、実証実験を4月から開始する。

ゼネテックとMetCom、三次元の位置情報を利用した次世代防災サービスに向けて協業
高さが取得できる、災害時位置情報共有サービスのイメージ図
Pinnacleは、一般的なスマートフォンに内蔵された気圧センサーを活用し、2-3mの精度で高さを特定するサービスで、建物内センサー不要で、垂直位置を測定する。

災害警報時、従来の平面位置情報に加えて高さの位置情報がわかることで、危険性や避難の必要性などをより正確に判断し、グループ内アラートやアクションにつながる。救助の際も、高さ情報がわかることで要救助者がいるフロア等の把握につながり、本人が連絡が取れない状況でも、迅速な発見と救助が可能となる。また、子供や高齢者の見守りについても、高さ情報が付加され正確な状況把握につながる。

さらに、津波や洪水の際、安全な高さにいるかどうかの判定や、必要な時間内で安全な高さの場所へ避難するためのガイドなどにより、垂直避難判定に役立つ。

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