日本電信電話株式会社(以下、NTT)と株式会社NTTドコモ、株式会社NTTデータ、阪神高速道路株式会社(以下、阪神高速)の4社は、NTTグループと阪神高速の両者が持つアセットの融合によるデジタル技術を活用した新たな交通マネジメント(※1)の実装に向けた検討を共同で実施すると発表した。
同共同検討は、大規模工事・大規模イベントに起因する交通渋滞や日常的な交通混雑の緩和に必要な、技術要素、運用手法、情報を整理・検討し、その有効性の検証を通じて、都市の道路交通の整流化に貢献する、デジタル技術を活用した新たな交通マネジメントの実現をめざすもので、2025年の大阪・関西万博等でも試行を検討していく。
具体的には、個々人の多様な移動ニーズと都市の道路交通の整流化の両立を重視しており、以下の取り組みを通じた新たな交通マネジメントの実装により、その実現をめざす。
- 人と交通のデジタルツインの実装による都市の道路交通の整流化
- 多様な移動ニーズに対応した移動支援サービスの提供
現実世界(リアル)で観測される情報、大規模会員基盤の情報を基に、実際の交通状態をデジタルツインコンピューティング(※2)を用いてバーチャル世界に再現し、将来の交通状態を予測する。バーチャル世界での様々なシミュレーションを通じて、都市高速道路を中心とした、都市の道路交通の整流化に適した施策を導出する。
大規模会員基盤等を活用し、多くの個々人のTPO(予定、現在地、移動目的)を統計的に把握して、個々の特性にあった移動支援を、都市の交通状態の予測に応じて行う。
同共同検討における各社の役割は以下の通り。
- 阪神高速
- NTT
- NTTドコモ
- NTTデータ
- NTT西日本
交通工学に関する知見、交通シミュレーション等の交通のモデル化、阪神都市圏の大動脈である阪神高速道路の道路管理・渋滞対策等の交通マネジメントの実績・ノウハウを活用した交通マネジメントの検討
交通マネジメントをデジタル技術を用いて実現するための検討、およびNTTのIOWN構想における「4Dデジタル基盤(※3)」技術等のデジタル技術の適用、交通流再現や交通予測などの交通整流化に資する新規技術の開発
デジタル技術を活用した新たな交通マネジメントの実現に資するドコモアセットの適用
(都市の交通状態を統計的に把握・予測するためのドコモ9,300万人の会員基盤の活用、移動者の行動特性や交通状態の予測に応じた移動支援技術等)
システム開発実績を活用した交通マネジメントシステムの実装、およびデジタルツインコンピューティングを活用した現実世界(リアル)のバーチャル世界での再現やシミュレーション
阪神高速等との連携を通じた阪神都市圏での新たな交通マネジメントの社会実装
(同共同検討は阪神都市圏を実証フィールドに想定しており、NTT西日本とも連携して検討を進めていく)
※1 交通マネジメント:交通制御・情報提供等を通じて,交通をより望ましい状態に保つこと。
※2 デジタルツインコンピューティング(DTC):モノやヒトをデジタル表現することによって、現実世界(リアル)のツイン(双子)をデジタル上に構築すること。これまで総合的に扱うことができなかった組合せを高精度に再現し、さらに未来の予測ができるようになる。
※3 4Dデジタル基盤:ヒト・モノ・コトの様々なセンシングデータをリアルタイムに収集し「緯度・経度・高度・時刻」の4次元の情報を高精度で一致・統合させ、多様な産業基盤とのデータ融合や未来予測を可能とする基盤。NTTのIOWN構想におけるデジタルツインコンピューティングを支える基盤として、NTT研究所の技術とNTTグループのノウハウ・アセットを活用し、2021年度からの機能の順次実用化と、継続した研究開発による機能拡充を進めている。
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