学校・中学校や高齢者施設などの要配慮者施設は、水害や土砂災害が発生するおそれがある場合、施設利用者の避難を確保する避難確保計画の作成および訓練の実施が義務付けられている。
横浜市には、「避難確保計画」の作成が必要な要配慮者施設が約2,600件ある一方で、これまで各施設の避難確保計画は、WordやPDFの文書で管理しており、データの検索やデータの管理工数、データの精度などが課題となっていた。
また、アナログな文書ベースでの管理による作成の困難さにより、これまで329件の要配慮者施設が避難確保計画を提出していなかったのだという。
そこで、株式会社ネオジャパンは、横浜市が募集した民間企業のデジタル技術を活用して、行政サービスのDX化を進めるプロジェクト「YOKOHAMA Hack!」の実証実験第一弾である、「要配慮施設利用者の安全を守る避難確保計画の取組化」を実施した。
今回の実証実験では、ネオジャパンが提供するノーコードアプリ開発ツール「AppSuite」と、グループウェア「desknet’s NEO」を活用し、避難確保計画作成アプリケーションを構築した。

アプリケーションを用いることで、避難確保計画を学びながら作成することができる。また、横浜市で用意されている避難確保計画に関連するサイト・情報をアプリケーション上に集約することで、災害に対する意識啓発も行った。
これにより、2022年11月の実証実験準備から2023年3月の完了報告までの5ヶ月間で、これまで未提出だった329件の施設のうち、3割弱となる95施設が避難確保計画を提出したのだという。
また、実証実験後のアンケートでは、作成者の約8割が「学びの効果」を評価し、紙で提出していた「避難確保計画」をシステム化することで、関係者全体の工数を41%削減することに成功した。
ネオジャパンは、実験によって効果が実証されたシステムを参考に、横浜市の予算規模に合わせたシステム仕様を作成し、今後本格稼働に向けて提案していくとしている。
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