ソフトバンク株式会社と慶應義塾大学SFC研究所(以下、SFC研究所)は、両者が設立した「デジタルツイン・キャンパス ラボ」において、デジタルツインを活用した自動運転バスの運行の高度化に向けた実証実験を、2023年5月から慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)で開始した。
一般的に自動運転バスの運行では、車両に設置したセンサやカメラだけでは検知できる範囲に限界があることが課題となっている。
そこでこの実証実験では、「デジタルツイン・キャンパス ラボ」が開発したデジタルツインプラットフォーム(以下、DTCLプラットフォーム)上で、建物の屋上に設置したセンサの情報や信号機の灯火予測情報などを再現。SFC研究所が神奈川中央交通株式会社と共同で研究し運行している、自動運転バスの走行システムにその情報を提供する。
実証実験を通して、「右折時の対向車検知」と、「信号機の灯火予測による快適で安全な車両の運行」という2つのユースケースの実現に取り組む。
通常、自動運転バスのセンサだけでは、遠方から接近する車両の認識が困難なケースがある。そうした状況で、建物の屋上に設置したセンサの情報を通信を介して共有することで、車両だけでは認識できないエリアを補完し、車両が認識するエリアを拡張。これにより、右折時の対向車を検知することが可能となる。
今回、SFC内の右折ポイントにおいて、対向直進車の情報を、「DTCLプラットフォーム」からリアルタイムに取得できるようにした。
従来は運転士が目視で確認して手動で右折を実施していたが、「DTCLプラットフォーム」から情報を取得することにより、対向直進車がいなければ自動で右折するような運行へと高度化することが可能になった。

また、「信号機の灯火予測による快適で安全な車両の運行」の実現へ向けて、SFC周辺の信号機の灯火情報について、信号機を映した固定カメラの映像などを基にAIによる推定を行い、「DTCLプラットフォーム」から取得できるようにした。

さらに、過去の灯火情報に基づいて、信号がどれくらいの時間で変わりそうかも予測することができる。
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