株式会社日立システムズは、配水小管内の流量を遠隔で監視する流量監視装置26台を、2022年度、東京都水道局に納品したことを発表した。
今回導入された流量監視装置の設置には、監視装置を設置するためのマンホール蓋の加工や交換が不要だ。
流量計は、新設の流量計室にサドル分水栓を用いて設置できるタイプと、一時的な流量調査などのために既設の地下室内の補修弁上に設置できるタイプの2つが用意されたているこれにより、口径100~350mmの配水管に、断水なしで流量計の着脱が可能だ。

通信はマルチキャリア対応セルラーLPWAの採用により、設置場所の電波状況に応じた最適な通信キャリアを選択することができる。
中継装置は不要で、マンホール蓋を閉じた状態でも無線通信が可能だ。また、電源は市販電池で、3年以上稼働することができる。
流量監視装置の開発にあたっては、維持管理を考慮し、計測精度を維持するため定期的に実施する校正作業(ゼロ点補正)を、装置を取り外さずに実施可能な方式となっている。
東京都水道局では、この流量監視装置を2022年度に3か所、2023年度に23か所の流量計室などに設置し、流量の遠隔監視を順次開始するとしている。
流量監視装置によって、設置した配水小管内の流量・流向を監視することで、平常時における管路の流れを定量的に可視化できるようになり、適切な水質管理や効果的な配水運用の実施が期待されている。
また、日立システムズはこれまでに、東京都水道局に対して水圧監視装置も納品している。
今回の流量監視装置の納品により、配水小管における水圧および流量の両方を同一クラウドから一元的に監視できる環境を構築した。
なお、日立システムズは、今回東京都水道局に導入した監視装置を含めた流量監視システムおよび水圧監視システムに加え、2022年10月に提供開始した水質監視システムを、それぞれ「CYDEEN 水インフラ監視サービス(流量監視)」、「CYDEEN 水インフラ監視サービス(水圧監視)」、「CYDEEN 水インフラ監視サービス(水質監視)」として提供している。
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