小田急電鉄株式会社では、イベント実施による通行量の変化の調査や駅周辺テナント誘致などの目的で、これまで人力による人流調査を行っていた。
しかし、年間で平日1日、休日1日のみの流動調査だったため、季節波動などのデータが取得できず、正確に分析ができないという課題があったのだという。
また、人力で人流データの取得を実施する場合、人が張り付くため費用が掛かることに加え、24時間正確にカウントすることには限界があった。
そうした中、Intelligence Design株式会社は、小田急電鉄の協力の元、エッジAIカメラソリューション「IDEA(イデア)」を活用し、新宿駅南口エリアにある「新宿サザンテラス」の通路における、歩行者の通行量や属性(性別・年齢)などの人流解析の調査・解析を開始した。
小田急電鉄は、前回もAIカメラを導入した実証実験を行っており、毎年秋から冬にかけて開催されるイルミネーションのイベントに合わせて、人流調査・解析をした。
今回の本格導入では、年間を通してAIカメラを設置し解析するため、従来の調査では行うことが難しかった「365日24時間データ取得」を行い、より精度の高い人流解析を行うことが可能になる。
具体的には、小田急電鉄が運営する新宿駅南口エリアの「新宿サザンテラス」の商業施設内に「IDEA」を設置し、画像解析を実施。リアルタイムで利用者の属性情報(性別・年代)や滞在時間等の利用状況を可視化し、調査・解析を行う。
小田急電鉄は、「今後は、季節ごと・時間帯ごとの人流の傾向を示すデータの提供等、連続した数値的根拠も交えた提案を行うことができるのではと考えている。
このように、従来は人の経験や感覚といった定性的な情報を、データとして定量的に可視化することができたのは大きな成果であり、今後、テナントとの賃料交渉時やイベント出店の投資対効果を示す際に活用していきたいと考えている。」と述べている。
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